公募研究
太陽の光を使って水から水素の合成や二酸化炭素の還元を行う人工光合成において、効率のよい水の完全酸化触媒を開発することは最も重要な課題の1つです。水の酸化で得られる電子とプロトンが水素の合成や二酸化炭素の還元に重要だというのがその理由です。私は、より効率の高い水の酸化触媒を開発するために、① 複数のRuを分子骨格中に含んだ新しいポリオキソメタレート分子の合成、② 新しいRu-W酸化物粒子の合成、③ ポリオキソメタレート分子やRuW酸化物粒子のFTO電極上への修飾法の開発を行っています。初年度である平成30年度は、③ ポリオキソメタレート分子やRuW酸化物粒子のFTO電極上への修飾法の開発を行いました。その結果FTO電極の上に高い水の酸化触媒活性を示す酸化ルテニウムを修飾する方法を見出しました。2年目の平成31年度(令和元年)は、① 複数のRuを分子骨格中に含んだ新しいポリオキソメタレート分子の合成に取り組み、水の酸化に活性を占めることが知られているRuを4つ含んだポリオキソメタレートのRu上の水分子を他の配位子に変換した化合物の合成および構造解析に取り組みました。様々な配位子を検討した結果、窒素を含む配位子を含んだ新しい分子の合成が出来ることを見出しました。これと並行してインドのデリー大学との国際共同研究として水の酸化活性があると知られているコバルトを分子内に4つ含んだ新しいポリオキソメタレート分子の合成と構造解析に成功しました。残念ながら、この新しい化合物は水の酸化触媒活性は低い物でしたが、新しい分子の合成の知見は、ポリオキソメタレート分子の設計に役立ち、今後の触媒開発に役立つと考えています。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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巻: 4 ページ: 12668-12675
10.1002/slct.201903379