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2020 年度 実績報告書

スィク教徒の非国家ネットワークとインド領パンジャーブの現代的危機に関する研究

公募研究

研究領域グローバル秩序の溶解と新しい危機を超えて:関係性中心の融合型人文社会科学の確立
研究課題/領域番号 19H04517
研究機関近畿大学

研究代表者

東 聖子  近畿大学, 国際学部, 准教授 (00735102)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードスィク教 / パンジャーブ / 非国家ネットワーク
研究実績の概要

スィク教ネットワークのハブとなる寺院のほか、スィク教組織によるイベントへの参与観察を、スィク教徒移民の多いトロント近郊にて実施した。スィク教徒移民のおもな出身地であるインドのパンジャーブ地方を、スィク教徒のための国家として独立させる運動とその宣伝が以前に増して活発に行われていることを確認した。寺院やイベントに足を運ぶ人々に対し、直接声をかけるようなことはないが、ポスターやフライヤーが至る所に配置され、パンジャーブ独立のための運動とその機運を高めようとしていることは明らかであった。ただ、寺院をこれまで通り訪れ、イベントに参加する人々に独立運動について尋ねると、独立やそのための運動に賛同せず、嫌悪を示す人や関わらないようにする人も少なくなかった。一方、インドのパンジャーブでは、インド中央政府による新たな農業関連法の成立に対する抗議デモが続き、法案の廃止に追い込む事態となっていた。この抗議デモには、農業に従事する多くのスィク教徒がパンジャーブ各地から参加していたが、これをサポートしていたのが海外のスィク教組織であった。そしてインドでの抗議デモの様子は移住先カナダにおいても高い関心を集めていた。このように、インド国内外でインド中央政府とスィク教勢力が対立する様子がみられたが、そこにはインド国内政治、困窮するパンジャーブ農民、パンジャーブ移民のカナダ定住と付随するエスニック・ビジネス、カナダ国内政治、パンジャーブの独立運動などさまざまな次元の現象と、それら全てに横断的に関わるスィク教のネットワークが絡んでいることを、これまでの研究および当該年度の調査から見出すことができた。スィク教のネットワークは、非国家的な独自性をもちつつも、対インド政府という国家との関わりを問い続け、さらには、パンジャーブの国家としての独立を目指すなど、逆説的に国家の存在に根ざしていることが考察できた。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 南アジアの新しい波(下)第2章 差異をつなぐ境界空間2022

    • 著者名/発表者名
      三尾稔編(東聖子:第2章執筆)
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      昭和堂

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公開日: 2023-12-25  

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