研究領域 | 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19H04539
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河野 行雄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90334250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | テラヘルツ |
研究実績の概要 |
これまで高品質半導体にとって不完全性の要因であった有機・高分子や格子欠陥は、対応するダイナミクスの多くがテラヘルツ(THz)周波数帯に属するものの、THzデバイスへの応用研究が不十分である。本研究は、有機・高分子材料の持つ多彩な高次結晶構造や欠陥、これらの外界への敏感な応答性等、不完全結晶電子材料ならではの特異な特徴を活かすことで、従来にはない新規なTHz機能デバイスの開拓を目指すことを目的とする。 今年度は、高分子の高次構造に着目した研究を実施した。高分子のラメラ結晶のねじれ状態を光計測により可視化することに成功した。また、特徴的な周波数領域に分子構造に起因する共鳴吸収ピークが存在することを見出した。これらの特徴から、周波数帯域を制御する材料として使用可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、高分子の高次構造と光応答がテーマであったが、構造と共鳴スペクトルの関係性を見出した。したがって、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、もう一方の目標である欠陥の効果に着目した研究に従事する。不完全結晶特有の機能創出を行う。
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