研究領域 | 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19H04540
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
矢野 隆章 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (90600651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナノフォトニクス |
研究実績の概要 |
本研究では、単原子層化合物半導体表面に特異構造(格子歪み・格子欠陥)を局所的に(ナノスケールで)導入し、その特異構造に起因する光物性変化を”その場”ナノ分光計測することによって、単原子層物質表面の特異構造と光・電子物性との相関をナノ分光学的に解明することを目的とした。本年度は、単原子層物質を合成する手法を開発し、数十マイクロメートル程度の大きさの再現性良くガラス基板上に作製することに成功した。具体的には、金表面と原子層物質間の強い吸着相互作用を利用してガラス基板上に転写し、金をエッチングで除去した。さらに、新規で開発した走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)と顕微フォトルミネッセンス装置を融合した近接場発光分光装置を設計および構築した。実際に、銀をコートした金属ナノ探針を用いて単原子層物質の近接場発光スペクトルを測定したところ、金属探針先端に誘起された局在表面プラズモンポラリトンによって、発光強度が1000倍以上に増強されることを確認した。発光スペクトルと同時にラマン散乱スペクトルの測定も行ったところ、発光と同等のラマン散乱増強度が得られた。次年度での測定に向けて、原子層表面への分子ドーピング等の要素技術開発も併せて行った。再現性やナノ分光装置の安定性の向上も行ったが、資材の調達が遅れたため未達成ではあるが、次年度の初めには必要物品が調達できる見通しが立ったため次年度も引き続き装置開発を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近接場分光システムの基盤構築に関しては、全体的に予定通り進んだが、資材の調達が遅れたため装置開発の一部に遅れが生じた。次年度の初めには必要物品が調達できる見通しが立ったため次年度も引き続き装置開発を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に開発した近接場発光分光装置を用いて単原子層物質表面の特異構造と光・電子物性との相関をナノ分光学的に解明する予定である。とくに、物質表面に分子ドーピングを局所的に行うことによって、特異構造を局所的に誘起し、デバイス物性との相関を分光学的に解明する。
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