競争的配位子である酢酸の存在下固体表面での再結晶化を促し、様々なカルボニル配位型MOFの二次元ナノシート化を検討し、ナノシート構造に誘導する最適条件が配位結合の強さに応じて大きく変化し、平衡化停止の速度論的制御が均質性の高い、大きなナノシート形成に重要であることがわかった。平衡化条件から徐々に二次元結晶化を促していく上で、温度よりも酢酸濃度を徐々に下げていくことが有効であることもわかった。そのため、徐々に酢酸雰囲気から、酢酸濃度を下げていく装置を作成し、結晶性ナノシートの成長制御が容易になった。 ナノシートだけでなく、3次元結晶の再結晶化を誘起する目的で、希薄酢酸溶液中でのHKUST-1の再結晶化を検討化した。二次元系と同様に酢酸水溶液下(数10%溶液に溶けている状態)で、結晶形態が粉末状から棒状結晶へと変化することがわかった。生じた結晶はトリメシン酸のすべてが配位に関与してない、HKUST-1とは異なるMOFに構造であることを明らかになった。 MOF結晶とポリマーのコンポジットも検討した。嵩高いPOSSユニットとシロキサン鎖が交互につながったネックレスポリマーと混ぜ合わせたハイブリッド材料を開発した。嵩高いPOSSユニットのために、MOFのポアへのポリマーの侵入が妨げられるため、MOFの多孔性を損なわないソフトマテリアルであった。 また希土類酸化物・錯体の重ならない近赤外波長選択性を光熱変換材料として利用し、多波長応答アクチュエータ、マランゴニ推進船を開発した。
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