研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04597
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
田原 一邦 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40432463)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 固液界面 / 自己集合 / プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / 積層膜 |
研究実績の概要 |
固液界面における分子集合体の構造制御は、単分子膜ではその制御因子の解明と指導原理は確立されつつあるものの、積層膜の形成に関してはその制御は未だ困難であり、さらなる調査が求められている。本研究では固体表面上の多孔性単分子膜を鋳型として、空隙を保ちながら分子を積層させて多孔性積層膜の構築を実現する、固液界面における高精度な自己集合制御技術の確立を目指す。この高度な自己集合制御技術は、精密な分子設計による分子間相互作用(水素結合や配位結合)の制御、薄膜調整条件の最適化によって実現する。固体表面で、空隙率を制御しながら多孔性の積層膜が構築できれば、当該分野において重要な進展となる。本申請課題の設計戦略を元に形成される積層膜は、用いる構成要素(分子)がキラルであるため、立体特異的である。そのため、形成される新しいキラルな多孔性積層膜そのものの機能性も探索する。 キラルなヒドロキシ基を側鎖の2位に導入した分子の自己集合に与える溶媒の効果や溶質濃度の影響をまとめた。形成された積層膜の観測において、STMの測定条件(トンネリング条件)や観測された画像を詳細に分析し、第一層、第二層の構造とキラリティーを明らかにした。同時に分子力学シミュレーションにより、形成された構造の詳細を推定した。また、二つのエナンチオマーを混合した際の自己集合では、立体特異的に構造成長が起こることがわかった。加えて、側鎖長を変えた分子やヒドロキシ基の数を変更した分子の合成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに合成済みであった化合物の自己集合について精査し、濃度や溶媒の与える影響を明らかにするとともに、形成された積層膜のキラリティーについても明らかにした。同時に、分子力学法によって、構造の最適化を行いその詳細を調査した。現在、新たな分子の合成を進めている。以上のことから、本研究は概ね順調に進んでいると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、積層膜に与える異分子の影響を調べるとともに、側鎖長を変えた分子やヒドロキシ基の数を変更した分子の合成を完了し、その自己集合を調査する。
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