公募研究
1)これまでにNocardia tenerifensis IFM10554T株とマウスマクロファージ様細胞 (J774.1)との共培養を行い,共培養特有に産生され,J774.1に対する細胞毒性(IC50 30.9 μM)を有する環状ペプチドnocarjamide を見出した.今回,本ペプチドの産生に関する経時的変化,培地組成の影響,動物細胞種による産生の変化を精査した.その結果,本ペプチドは共培養3日目に産生されるが,改変Czapek-Dox(mCD)培地からNaNO3とFeSO4を除外した培地では産生されないこと,J774.1細胞の代わりに,ヒト胎児由来腎細胞株HEK293またはヒトT細胞白血病由来細胞株HPB-ALLを用いても同様に産生されることが判明した.2)76種のNocardia属放線菌を病原因子の遺伝子解析により5種を選別し,J774.1細胞存在下,mCD培地,28 ℃,静置条件にて2週間共培養を行い,抽出物をLC-MSで比較した.その結果,Nocardia arthritidis IFM10035T株に共培養選択的産生ピークを見出したので,本菌の大量培養を行い,抽出エキスから共培養選択的成分を6種単離した.これらは既知環状ペプチドL-Val(6)peptidelipin NAおよび文献未記載の類縁化合物であった.3)単培養条件では産生しない細胞毒性物質の共培養条件下での産生を期待して,放線菌Nocardia属66種の単培養抽出物をJ774.1に対する細胞毒性を指標にスクリーニングし,細胞毒性を示さなかった菌株についてJ774.1との共培養を行った.その結果,共培養選択的にJ774.1に対して細胞毒性を有する菌株を4株見出した.そのうちの1株Nocardia uniformis IFM0856T株について大量培養を行い,細胞毒性を有する新規化合物を単離した.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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https://www.p.chiba-u.jp/lab/kassei/index.html