研究領域 | 生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04645
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
勝山 陽平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50646437)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非リボソームペプチド合成酵素 / ポリケタイド合成酵素 / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 |
研究実績の概要 |
mRNAディスプレイとクロスリンクを利用したIga10、Iga11-Iga12複合体形成の検討を行った。In vitro翻訳とピューロマイシンを利用してmRNAディスプレイ-Iga10の取得を試みたが、現在までの所、十分な効率でmRNAとIga10の複合体を得ることに成功していない。FmoA2の構造を解析すべく、X線結晶構造解析を試みた。FmoA2単独、および基質を加え、数百条件検討を行った。その結果、いくつかの条件で結晶が得られた。X線回折実験を行ったが十分な回折像は得られていない。また、FmoA3のクライオ電子顕微鏡、単粒子解析を行った。いくつかの条件検討を行い最適な条件を見出した。得られた条件でクライオ電子顕微鏡像を取得し解析した結果、分解能3.55オングストロームでFmoA3の構造を解くことに成功した。Cirratiomycinの生合成経路を明らかにするためにcirratiomycin生合成酵素群の組換えタンパク質を取得し、それらの機能解析を試みた。その結果、酵素の一つがalpha-methylserine合成酵素であることが示唆された。そのため、hydroxymethylserineはalpha-methylserineが水酸化されることで合成されることが予想された。また、いくつかの非リボソームペプチド合成酵素のアミノ酸特異性を調べた。そのうちの2つは解析に成功し、cirratiomycinの構造と一致することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
mRNAディスプレイを利用したACPの機能解析は現在難航している。一方でFmoA3のクライオ電子顕微鏡による構造解析が成功した点やcirratiomycinの生合成研究は順調に推移しているため。
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今後の研究の推進方策 |
mRNAディスプレイとクロスリンクを利用は継続するが、別の方法論によるACP認識能の改変を試みる。具体的には脂肪酸合成酵素ACP欠損菌にACPライブラリーを相補し、生育の回復する菌を取得することで、ACP選択性を評価できないか検討する。また、Iga11-Iga12とFAS由来のACPやオキセノン生合成酵素由来のACPの間で共結晶が取得できないか検討する。FmoA2の結晶化条件を引き続き検討するとともに、FmoA2とFmoA3複合体の構造解析が可能か検討する。Cirratiomycin生合成酵素群のin vitro解析を継続する。具体的には非リボソームペプチド合成酵素の基質特異性の解析、alpha-methylserine水酸化酵素の取得と機能解析、2,3-diaminobutyric acid生合成酵素の解析を試みる。
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