公募研究
2つの酵素を対象に、立体構造を基盤として酵素のテーラーメード改良と未発見酵素の探索を行い、天然に無い化合物を含む狙った化合物を合成する酵素の取得を目指した。具体的には、(i) ピロリン酸(PPi)依存性リン酸化酵素のリン酸基受容体の改変、(ii) データベース登録済みの立体構造情報を基にした未発見PPi利用酵素の効率的な探索、(iii) C25以上のテルペン類を合成する酵素の反応機構の詳細な解析と機能の改変、に挑戦した。研究目標 (i)のPPi依存性リン酸化酵素 (PPi-kinase) のリン酸基受容体の改変については、PPi依存性でイノシトールの1位をリン酸化する酵素 (PPi-Ins1K) のイノシトール認識部位に、ATP依存性でイノシトールの3位をリン酸化する酵素 (ATP-Ins3K) のイノシトール認識残基を導入することで、PPi依存性でイノシトールの3位をリン酸化する酵素 (PPi-Ins3K) の構築に成功した。この成果は最近ACS Chem Biol誌に発表した。研究目標 (ii)のデータベース登録済みの立体構造情報を基にした未発見PPi利用酵素の効率的な探索については、現在は機能未知酵素として登録されている2つの酵素が、PPiを用いて基質Xをリン酸化する酵素であることを確かめた。基質Xをリン酸化するPPi-kinaseは、これまでに発見されていない。研究目標 (iii) のC25以上のテルペン類を合成する酵素の反応機構の詳細な解析と機能の改変については、Bacillus alcalophilus 由来のClass IB型Large-terpene synthase (Bal-TS)について、活性に必要な金属イオンを含む基質結合型の結晶構造を決定した。これにより基質prenyl二リン酸のリン酸基並びに疎水性鎖の認識機構が明らかになった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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ACS Chem. Biol.
巻: in press ページ: -
10.1021/acschembio.0c00733