研究領域 | 生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04653
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中田 栄司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (70467827)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 分子コンビナート / 酵素間距離 / 物質変換システム / 非天然物合成 |
研究実績の概要 |
DNAナノ構造体と酵素の間をつなぐアダプターを新たな戦略を用いて拡張した。これまでにもアダプターを構成する認識部位(DNA結合性タンパク質)と共有結合形成部位(タグタンパク質)の組み合わせにより直交性を有するアダプターを報告していた。その結果では、タグタンパク質の選択性に基づき、アダプターが直交性を発揮することが明らかとなっていた。しかしながら、タグタンパク質の選択肢が限られていることから、直交性を有するアダプターとして利用できる選択肢も限られていた。そこで、この点を考慮してアダプターの選択肢を増やすためのアダプターの合理的設計戦略の確立をおこなった。具体的には、反応全体の速度論的な解釈を見直して、直交性を発揮するためのタグタンパク質に求められる条件を抽出し、その考察に基づいて設計したアダプターを調製し、機能評価をおこなった。その結果、同一のタグタンパク質を持ちながらDNA結合性タンパク質の選択性の違いによって直交性を維持したまま配置することができる新たなアダプターを開発することに成功した(Chem. Sci. 2019, 10, 9315)。これをさらに拡張した戦略についても引き続き研究を進めており、次年度の成果報告に向けて準備を進めている。一方、当初の戦略に基づき設計したアダプター融合酵素に関しては、アダプターを組み合わせた際の酵素の活性維持に関しては、良好な結果を得られておらず、引き続き検討をおこなっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、複数種類の酵素を配置できる分子コンビナートの設計および調整には成功し、新たな戦略に基づく直交性を有するアダプターの創製にも成功している。これに関しては、本年度論文発表し、続報についても論文発表する予定で準備を進めている。この点においては、「順調に研究が進行している」と考えている。一方で、アダプターを融合した酵素の発現、特に活性を維持した状態での単離精製について、試行錯誤を要している。これについては、アダプターの融合の仕方や位置などの最適化をおこなうことが必要であり、この点においては「やや遅れている」と考えている。これらについては、次年度にも引き続き対応する予定であり、総じては「おおむね順調に進展している」と評した。
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今後の研究の推進方策 |
活性を維持した状態でのアダプター融合酵素の調整を引き続きおこなっていく。また、酵素活性の評価方法に関しては、研究機関に共用の分析機器の導入が予定されており、それを利用すればより簡便になると期待されることから、それを利用して研究を進めていくことにする。
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