研究領域 | 生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04664
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
石川 文洋 近畿大学, 薬学部, 講師 (50631553)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非リボソームペプチド合成酵素 / アデニル化酵素 / 生合成 / 分子プローブ / 非天然型ペプチド |
研究実績の概要 |
本年度は、グラミシジン S (GS)生合成に関与するNRPSアデニル化酵素を活用した非天然型環状ペプチドの生合成を実施した。生合成系プロテオミクス解析技術により、GS-NRPS GrsBアデニル化酵素(APro、AVal、AOrn、ALeu選択的アデニル化酵素)はそれぞれ1種、14種、2種、6種のアミノ酸を基質候補とすることがわかった。そこで、GrsB-NRPSアデニル化酵素を活用し、非天然型環状ペプチドの生合成を行った。基質候補となるアミノ酸を培地へ添加し、GS生産菌を培養することで、非天然型環状ペプチド化合物を生合成した(非天然型ペプチド系化合物の合理的設計)。常法に従い、ペプチド化合物を抽出し、高速液体クロマトグラフィーにより精製を行った。続いて、高分解能質量分析、改良Marfey 法、NMR 解析により、非天然型ペプチド化合物の構造解析を行い、基質候補アミノ酸のGS 骨格への選択的導入を確認した。これにより、生合成系プロテオミクス独自技術を物質生産と連結することで、創薬に資する天然物由来環状ペプチド化合物群の新合成技術を確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質ラベル化独自技術を物質生産に連結することで、生合成的かつ部位特異的に非タンパク質性アミノ酸をペプチド系天然物への導入が可能になってきたため。
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今後の研究の推進方策 |
非天然アミノ酸選択的アデニル化酵素を分子モデリング、点突然変異導入によって作製し、機能性アミノ酸をペプチド系天然物への導入を実現し、有機合成化学を活用して、天然物由来環状ペプチド人工ライブラリーの構築を構築する。
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