研究領域 | スクラップ&ビルドによる脳機能の動的制御 |
研究課題/領域番号 |
19H04763
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 元雅 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (40321781)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経細胞 / 神経活動 / 神経変性 |
研究実績の概要 |
神経細胞において、外来からの刺激はタンパク質全体の発現や局在を変化させ、タンパク質のビルド・スクラップを促すトリガーとなる。プロテオームの変化は神経可塑性をもたらす分子基盤にもなり、個体の行動にも変化を誘導しうる。実際に、神経活動依存的なスクラップ・ビルドは、精神機能などに重要な役割を果たすことが示唆されている。特に、核酸結合タンパク質は、標的となる多くの機能を一気に変化させる可能性があるため、神経活動依存的ビルドの司令塔となりうる。一方で、これらのタンパク質は役目を終えたらスクラップされる必要がある。しかし、それらの合成および分解に関わる制御因子の存在、機能ともいまだ不明な点が多い。本年度は、神経活動依存的に機能を制御しうるタンパク質の網羅的な解析を行うための技術を開発し、それをほぼ確立させた。その結果、神経活動依存的な変化を示す様々なタンパク質が明らかになった。さらに、上述の手法とは全く異なる手法で神経機能を様々なモードで制御しうるタンパク質の探索を行うための技術をほぼ確立させた。これらの二つの技術は比較対照実験などにも使えるため、次年度に向けて非常に有用であると考えらえる。また、タンパク質の分解に関しても網羅的な解析を行い、神経機能の制御に特異的に関わるタンパク質群が明らかになり、その異常による神経変性への関与も示唆された。さらに、別手法でタンパク質の分解を調べる実験系の開発も進め、新たなウイルスを作成するところまで進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経活動依存的な神経機能を示すタンパク質に関して網羅的な解析を行うための複数の技術開発が順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
神経活動依存的に神経機能を制御しうるタンパク質を探索するための二つ目の技術開発について、神経刺激存在・非存在下での実験を引き続き進め、二つの手法で単離されたタンパク質群の差異について検討する。また、同定されたタンパク質の神経機能について、ノックダウンなどから調べる。さらに、神経活動依存的な分解に関わるタンパク質を探索するための技術を、昨年度に着目した二つ目の実験系を応用することで開発、構築し、神経活動依存的に生じるタンパク質分解の実態を明らかにする。
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