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2020 年度 実績報告書

種特異的な発生時計が制御する器官サイズとパターン保存性のメカニズムの解析

公募研究

研究領域脳構築における発生時計と場の連携
研究課題/領域番号 19H04781
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

笹井 紀明  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80391960)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードニワトリ胚 / ウズラ胚 / 神経管
研究実績の概要

我々は生体や器官のサイズを決定する分子メカニズムについて研究を進めており、そのモデルとして鳥類の神経管を使用している。その方法として、ともに近縁でありながらサイズが大きく異なるニワトリ胚とウズラ胚神経管のサイズの比較を行うことにした。
まず、様々な発生過程の神経管断面を単離し、そのサイズ、前駆細胞数、神経細胞数の変遷を比較した。その結果、ニワトリ胚にくらべてウズラ胚では神経前駆細胞の分裂速度がおそく、より多くの前駆細胞が神経細胞へと分化していた。
次に、ニワトリ胚とウズラ胚から神経管を取り出し、その細胞に発現する遺伝子をRNAシーケンス法によって解析したところ、発現量が両種で異なる遺伝子が約2,000種類同定され、さらにその中には転写因子やシグナル因子が多数含まれていた。このうち、Sox型転写因子Sox14はウズラ胚で発現量が高く、サイズ決定の一因となっていることが示唆された。
神経管における発現領域をin situハイブリダイゼーションによって調べたところ、Sox14は神経前駆細胞や分化した神経細胞の一部などに発現していた。次に、Sox14をニワトリ胚神経管に大量導入すると細胞分裂が抑制され、神経管の分化が促進された。一方、siRNAによってSox14の発現量を減弱したところ、前駆細胞の発現領域が拡大した。また、Sox14は転写活性化因子として働くことが示唆された。
以上の結果から、前駆細胞の細胞分裂の速度、前駆細胞・神経分化のバランスの違いがサイズの違いに結びついていることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Sox14 is essential for initiation of interneuron differentiation in the chick spinal cord2021

    • 著者名/発表者名
      Taiki Katsuyama, Minori Kadoya, Manabu Shirai, Noriaki Sasai
    • 雑誌名

      Research Square

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.21203/rs.3.rs-243180/v1

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Neural induction: Historical views and application to pluripotent stem cells2021

    • 著者名/発表者名
      Sasai, N. Kadoya, M. Ong Lee Chen, A.
    • 雑誌名

      Dev Growth Differ

      巻: 63 ページ: 26-37

    • DOI

      10.1111/dgd.12703

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脳の領域化2020

    • 著者名/発表者名
      笹井 紀明
    • 雑誌名

      脳科学辞典

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.14931/bsd.9270

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コーディン2020

    • 著者名/発表者名
      笹井 紀明
    • 雑誌名

      脳科学辞典

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.14931/bsd.9269

    • 査読あり
  • [学会発表] 初期眼発生におけるPHC1の必須の機能2020

    • 著者名/発表者名
      Noriaki Sasai
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] Hedgehogの受容体Patched1の遺伝子変異幹細胞の作製と、その神経分化における影響2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Hidaka
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 種特異的な神経管サイズを制御する分子メカニズムの解析2020

    • 著者名/発表者名
      Taiki Katsuyama
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] mTORシグナルとソニック・ヘッジホッグシグナルの協調による神経管細胞増殖の制御機構2020

    • 著者名/発表者名
      笹井 紀明
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Reconstituting spinal cord patterning and analyzing the gene regulatory networks by using chick2020

    • 著者名/発表者名
      Noriaki Sasai
    • 学会等名
      第53回日本発生生物学会
  • [学会発表] mTORシグナルの不活性化による底板細胞数の制御2020

    • 著者名/発表者名
      Minori Kadoya
    • 学会等名
      第53回日本発生生物学会
  • [学会発表] Essential Roles of Polyhomeotic Homolog 1 (Phc1) in Early Retinal Development2020

    • 著者名/発表者名
      Agnes Ong Lee Chen
    • 学会等名
      2020 ASCB/EMBO meeting
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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