研究領域 | 脳構築における発生時計と場の連携 |
研究課題/領域番号 |
19H04784
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
畠山 淳 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (90404350)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経上皮 / 神経幹細胞 / 脳脊髄液 / 霊長類 / 大脳 |
研究実績の概要 |
本研究は、脳脊髄液によって生じる力学的刺激が神経幹細胞の増殖期の長さに影響するか検証し、「神経幹細胞の増殖期」の時計制御の機構解明を目的とする。脳脊髄液による内圧が神経上皮に対して陽圧なのかどうか検証するために、神経上皮の切り出しや神経管の開放を行い、神経上皮への影響を調べた。その結果、内圧がかからない状況になると、神経上皮の厚みやapical面の大きさが変わり、神経上皮に陽圧がかかっていることが示された。次に、熊本大学工学部の中島先生との共同研究で特殊デバイスの開発を行い、神経上皮に張力を人為的に加えたところ、神経幹細胞の増殖が促進された。一方、押し合いの力を加えるとそれが抑制された。さらに、ニワトリ胚の神経管を開放系にして内圧をリリースすると、脳発生に異常が生じ、増殖している細胞が顕著に減少し、核内Yapも減少した。このことから、神経管の内圧が、神経管の神経幹細胞の増殖に影響を及ぼすことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた特殊デバイスの開発もうまくいき、力学的作用が脳発生に寄与していることを示唆するデータが集積しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
この1年で、力学刺激が増殖の制御に貢献していることを示唆するデータが出ている。次に、どのような細胞内シグナルを介して増殖の制御が行われているか探索するために、特殊デバイスを用いた実験で、張力をかけたとき、押し合いの力をかけたとき、各々の神経上皮の試料を用いてRNA-seq解析を行う。張力や押し合いの力がかかったときに、どのようなシグナルが変動するのか明らかにする。そして、動物種によって、神経管の内圧の大きさに違いがあるのかどうか検証するために、マウスやサル胚で内圧を測定することを試み、神経幹細胞の増殖制御種間差について、力学刺激の貢献の可能性について調べる。
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