研究領域 | 脳構築における発生時計と場の連携 |
研究課題/領域番号 |
19H04797
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
高田 慎治 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 教授 (60206753)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 遺伝子 / 細胞 / 発生・分化 / シグナル伝達 |
研究実績の概要 |
体節の形成では、時間情報を作り出す分子時計(分節時計)と、空間情報(位置情報)を作り出す分泌シグナルの協調的な相互作用が秩序だった体節の形成には重要であると考えられる。研究代表者らは、体節形成において位置情報を作り出すFgf-ERKシグナルが分節時計の中心をなすHairy遺伝子の転写をいかに制御するかという問題に着目し、これまでにFgf-ERKシグナルがripply遺伝子の発現制御を介して分節時計を制御する分子ネットワークの全容をゼブラフィッシュ胚を用いて明らかにした。 一方、Fgf-ERKシグナルと分節時計は相互に制御されていることが示唆されてきたが、ripplyが発現するよりも以前の段階で起きる両者の協調的な制御が秩序だった体節の形成には重要であることが強く示唆された。そこで、本研究ではこの協調的な相互作用が起きている作用点を明確にし、それを生み出す分子機構の解明を目指して研究を進める。そのために本年度は、ゼブラフィッシュ分節時計構成因子her1遺伝子のORF領域の3’末側に緑色蛍光タンパクをノックインし、Her1と蛍光タンパクの融合タンパクを発現する遺伝子組み換え個体を作成した。この組み替え体から交配により得られた胚を用いて、分節時計により形成される時間情報の可視化に成功した。このノックイン胚ならびに体節形成に必要な遺伝子の機能を欠損したさまざまな変異体系統の胚を用いて、FGFシグナルとの時空間的な比較を行い、体節形成に関わる時間情報と空間情報の動態を同時に解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
蛍光タンパク質をher1遺伝子座にノックインしたゼブラフィッシュを計画通りに樹立し、このゼブラフィッシュ系統などを用いてFGFシグナルとの相互関係を時空間的に調べることができた。
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今後の研究の推進方策 |
体節形成に関わる時間情報と空間情報を統一し体節を周期的に形成していく分子メカニズムを、蛍光タンパク質をher1遺伝子座にノックインしたゼブラフィッシュ等を用いて明らかにしていく。
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