公募研究
紫外線は免疫抑制効果があることが知られているが、そのメカニズムには不明な点が多い。私たちは、紫外線の照射により、免疫を抑制する作用のある制御性T細胞が皮膚で増えることを見出した(Yamazaki S* et al. J Immunol 2014 *Corresponding author)。増えた制御性T細胞は、紫外線で誘導されるネオ・セルフに特異的な制御性T細胞と考えられ、本研究では、紫外線で誘導されるネオ・セルフに特異的制御性T細胞の新しい機能を利用した治療の基盤となるデータを出す。過去2年間の公募研究期間で、紫外線で誘導されるネオ・セルフを提示する樹状細胞のサブセットを同定することができた(Yamazaki S* et al. J Immunol 2018 *Corresponding author)。さらにこの度、紫外線で誘導されるネオ・セルフ特異的制御性T細胞はこれまでに報告されていない新しい機能をもつことを見出し、投稿中である(manuscript, under review)。本研究をさらに発展させ、樹状細胞がどのように新しい機能を持つ制御性T細胞を増やしているか、分子機構を明らかにし、新しい病態治療への応用を目指す。
2: おおむね順調に進展している
本研究では、過去2年間の公募研究で応募者が見出した紫外線で誘導されるネオ・セルフ特異的制御性T細胞の増殖機構と新機能の解明を行う目的で開始したが、順調に解析がすすみ、現在論文を投稿し、リバイスを投稿中である。さらに引き続きのデータもでており、さらなる発展が期待できる。
引き続き本研究をさらに発展させ、樹状細胞がどのように新しい機能を持つ制御性T細胞を増やしているか、分子機構を明らかにし、新しい病態治療への応用を目指す。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Journal of Investigative Dermatology
巻: 139 ページ: 1329~1338.e7
10.1016/j.jid.2019.01.029
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http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/immunol.dir/