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2019 年度 実績報告書

口腔感染症において病原微生物がネオ・セルフとしてはたす役割の解明

公募研究

研究領域ネオ・セルフの生成・機能・構造
研究課題/領域番号 19H04819
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

田中 芳彦  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00398083)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード病原微生物 / 免疫 / ヘルパーT細胞 / 共生 / 常在微生物
研究実績の概要

本研究は最も多種多様な常在微生物叢を形成している口腔を対象に、これまでに明らかにしてきた研究成果に基づいて、歯周病と口腔カンジダ症を病態モデルとして病原微生物がネオ・セルフとしてはたす役割を解明することを目的としました。
(1) 共生細菌/歯周病原細菌のネオ・セルフ抗原の同定と責任T細胞の特定:1)歯周病原細菌のネオ・セルフ抗原の同定:歯周病の原因細菌の中でRed Complexに分類される強力な歯周病原細菌で全ゲノムシークエンスが判明しているP. gingivalisを対象として責任T細胞への分化能をネオ・セルフ抗原の指標として解析を行いました。逆相HPLC、2次元電気泳動、プロテオミクスと解析を進め、タンパク質レベルでネオ・セルフ抗原を明らかにしました。 2) 歯周病の責任T細胞の特定:無菌マウスシステムならびに抗菌剤を用いた解析により、腸内微生物叢と歯周病の病態の関連を解析しました。歯周病の病態には腸内微生物叢が関わっていることを見出しました。また、歯周病の責任T細胞のTCRレパトア解析を行いました。
(2) 共生真菌/カンジダ真菌のネオ・セルフ抗原の同定と責任T細胞の特定:3) カンジダ真菌のネオ・セルフ抗原の同定:これまでの解析によってカンジダ真菌の菌糸形の細胞膜分画にネオ・セルフ抗原が含まれることを明らかにしていました。逆相HPLC、2次元電気泳動、プロテオミクスと解析を進め、タンパク質レベルでネオ・セルフ抗原を明らかにしました。 4) 口腔カンジダ症の責任T細胞の特定:ネオ・セルフ抗原として細胞膜分画を認識する責任T細胞が病態を制御することを明らかにしています。これらの解析に基づいて口腔カンジダ症の責任T細胞のTCRレパトア解析に着手しました。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画に従って、歯周病ならびに口腔カンジダ症の病態と関わる抗原タンパク質候補を複数作成し、責任T細胞に対して評価しました。タンパク質レベルでネオ・セルフ抗原を明らかにしており、本研究課題が大きく進展しました。また、歯周病の責任T細胞のTCRレパトア解析を行うとともに、口腔カンジダ症の責任T細胞のTCRレパトア解析に着手しました。このように計画に沿って進行していることから、予定通りにおおむね順調に進展していると考えられます。

今後の研究の推進方策

研究はおおむね順調に進行しており、予定通りの研究実施計画に従って研究を実施していくことで、成果をあげていきます。T細胞受容体をクローンレベルで解析を行なっていきます。このようにして疾患モデル動物の開発の道を切り拓きます。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Bacterial-induced maternal interleukin-17A pathway promotes autistic-like behaviors in mouse offspring2020

    • 著者名/発表者名
      Yasumatsu, K., Nagao, J., Arita-Morioka, K., Narita, Y., Tasaki, S., Toyoda, K., Ito, S., Kido, H. and Tanaka, Y.
    • 雑誌名

      Exp. Anim.

      巻: 69 ページ: 250-260

    • DOI

      org/10.1538/expanim.19-0156

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 口腔細菌がもたらす全身とのクロストーク2019

    • 著者名/発表者名
      田中芳彦
    • 雑誌名

      炎症と感染

      巻: 27 ページ: 447-451

  • [学会発表] Exploration of the major T-cell antigen in oral candidiasis.2019

    • 著者名/発表者名
      Tasaki, S., Cho, T., Nagao, J., Arita-Morioka, K, Narita, Y., Yasumatsu, K., Kojima, H., Tanaka Y.
    • 学会等名
      The 49th Annual Meeting of The Japanese Society for Immunology
  • [学会発表] Candida albicansに対してTh17細胞応答を誘導する表層抗原の探索2019

    • 著者名/発表者名
      田﨑園子、長 環、小島寛、田中芳彦
    • 学会等名
      第36回日本障害者歯科学会総会・学術集会
  • [学会発表] 口腔カンジダ症を制御するTh17細胞応答を誘導するT細胞抗原探索2019

    • 著者名/発表者名
      田﨑園子、長 環、永尾潤一、有田(森岡)健一、成田由香、安松香奈江、小島寛、田中芳彦
    • 学会等名
      第61回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • [学会発表] バイオフィルム形成阻害に着目した新しいう蝕予防法の開発2019

    • 著者名/発表者名
      有田(森岡)健一、永尾潤一、成田由香、安松香奈江、田﨑園子、長 環、田中芳彦
    • 学会等名
      第61回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • [学会発表] Th17細胞を介して口腔カンジダ症を抑制するCandida albicans 表層抗原の探索2019

    • 著者名/発表者名
      田﨑園子、長 環、永尾潤一、池崎晶二郎、成田由香、有田(森岡)健一、安松香奈江、小島寛、田中芳彦
    • 学会等名
      第63回日本医真菌学会総会・学術集会
  • [学会発表] Mild heat stressに対するCandida albicansの応答機構の解明2019

    • 著者名/発表者名
      池崎晶二郎、長 環、永尾潤一、田﨑園子、山口正視、有田(森岡)健一、安松香奈江、知花博治、池邉哲郎、田中芳彦
    • 学会等名
      第63回日本医真菌学会総会・学術集会
  • [学会発表] カンジダ菌のbiofilm形成におけるmild heat stress(熱発)応答機構の解明2019

    • 著者名/発表者名
      池崎晶二郎、長 環、永尾潤一、山口正視、安松香奈江、田﨑園子、有田(森岡)健一、成田由香、田中芳彦、池邉哲郎
    • 学会等名
      第73回日本口腔科学会学術集会
  • [学会発表] 口腔感染症の病態を制御する免疫ネットワークの解析2019

    • 著者名/発表者名
      永尾潤一, 田中芳彦
    • 学会等名
      「ネオ・セルフの生成・機能・構造」第2回 若手の会
  • [備考] 研究者HP

    • URL

      https://www.fdcnet.ac.jp/col/info/teacher/teacher_info_tanaka

  • [備考] 所属研究機関研究分野HP

    • URL

      https://www.fdcnet.ac.jp/col/department_graduate_school/div_info/div_info_kinou#sec02

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公開日: 2021-01-27  

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