研究領域 | 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― |
研究課題/領域番号 |
19H04856
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
児嶋 長次郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333563)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | NMR / 蛋白質 / 立体構造 |
研究実績の概要 |
我々の研究グループでは、普遍的な花芽形成の運命決定因子であるフロリゲンの細胞内受容体を同定し、開花促進活性の本体となるフロリゲン・受容体・転写因子複合体の結晶構造解析に成功している。本研究では花成ホルモン受容体の立体構造情報に基づき、花成を制御する低分子化合物を創出することを目指している。具体的には、「花成ホルモン」を作用点とする化合物を立体構造情報に基づき探索し、花成ホルモン・化合物複合体の立体構造を決定して化合物の最適化を行うことで、前回の公募研究で達成できていない植物個体で開花を「促進」する化合物の創製を目指す。また、生細胞内の蛋白質の構造動態を解析する超高感度生細胞内 NMR 法を開発し、ライブセルイメージング・化合物・構造生物学と連動した花成制御機構のリアルタイム解析技術の開発も進める。 令和元年度は研究項目(1)「花成ホルモン複合体の立体構造に基づく低分子化合物のデザインと花成制御」と研究項目(2)「超高感度生細胞内NMR法の開発と開花制御機構解明への応用」を実施した。研究項目(1)では、「花成ホルモン」をターゲットとした化合物スクリーニングを蛋白質・細胞レベルで行い、花成ホルモン・化合物複合体の立体構造情報に基づき化合物の最適化に取り組んだ。研究項目(2)では、超高感度生細胞内NMR法を開発し、生細胞内での蛋白質構造動態のリアルタイム解析に取り組んだ。 特筆すべき成果としては、スクリーニングによって「花成ホルモン」をターゲットとする花成制御化合物が得られた。また、31P-NMRを用いた生細胞内動態のリアルタイム解析にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初計画通りに研究が進んだ。 当初研究計画では、研究項目(1)「花成ホルモン複合体の立体構造に基づく低分子化合物のデザインと花成制御」と研究項目(2)「超高感度生細胞内NMR法の開発と開花制御機構解明への応用」の実施を予定し、計画通り実施した。研究項目(1)では、「花成ホルモン」をターゲットとする花成制御化合物が得られ、研究項目(2)では、31P-NMRを用いた生細胞内動態のリアルタイム解析に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
概ね当初計画通りに研究を進める。 具体的には、令和元年度に引き続き研究項目(1)「花成ホルモン複合体の立体構造に基づく低分子化合物のデザインと花成制御」と(2)「超高感度生細胞内NMR法の開発と開花制御機構解明への応用」を推進する。研究項目(1)では、昨年度同定した「花成ホルモン」に結合する化合物の植物個体での効果の検証と花成ホルモン薬剤複合体の立体構造解析を行う。研究項目(2)では、昨年度に確立した超高感度生細胞内NMR法を植物細胞に適用することで、ライブセルイメージング・化合物・構造生物学と連動させ、開花制御機構のリアルタイム解析を目指す。
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