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2020 年度 実績報告書

花粉管動態を可視化する耐光性近赤外蛍光分子ツールの創製

公募研究

研究領域植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて―
研究課題/領域番号 19H04858
研究機関名古屋大学

研究代表者

多喜 正泰  名古屋大学, 物質科学国際研究センター(WPI), 特任准教授 (70378850)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード核小体染色 / 膜透過性ペプチド / 植物イメージング / 近赤外蛍光色素
研究実績の概要

エチニル基を有するホスファローダミン色素と膜透過性ペプチドBP100を連結したNLPPを培養タバコ細胞BY-2に作用させたところ,核小体局在を示すことを見出した.NLPPで染色したBY-2細胞を10分間隔で撮影したところ,細胞分裂時における核小体の崩壊と,分裂後の再形成の様子を捉えることに成功した.次に,色素の細胞内への取り込み機構について検証した.1時間毎に撮像したところ,初期段階で核小体選択的な蛍光が検出されたが,時間の経過に伴い液胞が徐々に染色される様子が捉えられた.核小体と液胞の蛍光強度をそれぞれ時間に対してプロットすると,両者が異なる速度で増大していることがわかり,二種類のNLPP取り込み経路が存在することが示唆された.また,アジ化ナトリウムによるエンドサイトーシス阻害実験を行ったところ,核小体の蛍光強度は変化しなかったのに対し,液胞からのシグナルは大幅に減少した.以上の結果から,細胞膜を直接透過したNLPPは核小体へ移行するのに対し,液胞への取り込みはATP依存的なエンドサイトーシス経由であることが明らかとなった.これを踏まえ,BY2の細胞破砕液を用いた競合アッセイにより,膜透過後における核小体局在経路について検討した.その結果,細胞膜を透過したBP100ペプチドが核輸送タンパク質と結合していることが示唆され,膜透過性と核移行の両過程に寄与していることがわかった.NLPPは植物細胞の核小体ライブセルイメージングを可能にする初めてのプローブであり,核小体の形成機構やストレス応答など,新たな生命現象の解明に繋がるものである.

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Covalent Self-Labeling of Tagged Proteins with Chemical Fluorescent Dyes in BY-2 Cells and Arabidopsis Seedlings2020

    • 著者名/発表者名
      Iwatate Ryu J.、Yoshinari Akira、Yagi Noriyoshi、Grzybowski Marek、Ogasawara Hiroaki、Kamiya Mako、Komatsu Toru、Taki Masayasu、Yamaguchi Shigehiro、Frommer Wolf B.、Nakamura Masayoshi
    • 雑誌名

      The Plant Cell

      巻: 32 ページ: 3081~3094

    • DOI

      10.1105/tpc.20.00439

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 膜透過性ペプチドを連結したホスファローダミン色素による植物細胞の核小体イメージング2022

    • 著者名/発表者名
      酒井 佑基,八木 慎宜,中村 匡良,多喜 正泰,山口 茂弘
    • 学会等名
      日本化学会 第102春季年会
  • [学会発表] 膜透過性ペプチドが連結した近赤外蛍光色素による植物細胞の核小体イメージング2021

    • 著者名/発表者名
      酒井佑基, 中島菜月,長江拓也,佐藤良勝,東山哲也,多喜正泰,山口茂弘
    • 学会等名
      第15回バイオ関連化学シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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