公募研究
雌雄配偶子ゲノムが協調的に機能することによって受精卵は正常に発生する。本課題では、同質および異質受精卵の発生機構を解析することにより、受精卵発生機構および異種間軋轢による胚発生不全機構を解明することを目的として、次の研究を遂行した。(1) OsASGR-BBML1の標的遺伝子群の同定および受精卵初期発生過程における転写因子カスケード:DD45プロモータ下でOsASGR-BBML1を発現する形質転換イネのライン群から高効率で卵細胞発生を行うラインを選抜した。さらに、卵細胞の1細胞トランスクリプトーム解析を試み、細胞1個で十分に再現性があるデータが得られる実験条件を特定し、現在はBBML1卵細胞のトランスクリプトームに取りかかっている。(2) 異質交雑受精卵の発生プロファイルと異種ゲノムの保持・存在状態:電気融合させるイネ配偶子とコムギ配偶子の組み合わせ、数、および倍数性を検討した結果、作出した交雑受精卵が植物体にまで発生する条件を見出した。それら交雑植物がほぼコムギの形態を示したこと、およびフローサイトメトリー解析からイネ染色体・ゲノムが脱落していると推定された。植物体のゲノムシークエンス解析を進めたところ、当該交雑受精卵由来の植物体はコムギゲノムにイネゲノム断片が挿入されている可能性が示唆された。(3) 卵細胞の受精非依存的な分裂・発生機構:卵細胞の自律的分裂を誘導するスベロイルアニリドヒドロキサム酸 (SAHA) の標的酵素(ヒストン脱アセチル化酵素)により発現が制御されている遺伝子群を特定し、受精誘導性・抑制性遺伝子群などとの比較解析を進めている。また、12種のSAHA誘導体のうち、3種に分裂誘導活性があることが判明した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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