研究領域 | 脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学 |
研究課題/領域番号 |
19H04878
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小池 進介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10633167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 思春期主体価値 / 価値観 / 価値感覚 / 垂直伝播 / メタ認知 |
研究実績の概要 |
本研究は、東京ティーンコホート(TTC)および一般大学生・専門学校生・高校生を対象として、(1) 価値観を家族全員から取得し、価値観の家庭内共有状況を検討する。(2) 12か月後の調査で、価値観の共有過程が対象者の年齢層によってどう変化するのかを明らかにする。 (3) こうした価値観伝達過程に、メタ認知機能が関与しているかを検討し、(4) だれのどのような価値観が子の価値感覚、内発的動機づけや精神疾患への偏見差別(スティグマ,価値観に応じた具体的行動)に関係しているかを明らかにすることを目的とした。 まず、計画研究C01で開発された価値感覚計測iPadアプリをWebアプリに移植したうえで、これまでの価値観研究の成果をもとに、項目を一部改訂したものを実装した。次に、TTCサブサンプルMRI計測の研究対象者家族構成員に上記アプリを含めた価値観、メタ認知、スティグマ尺度の質問紙を送付した。2020年3月現在、220世帯に送付し、本人129、父120、母138、兄姉70から返答を得た。データは現在クリーニング中である。 既存のデータを用いた成果として、スティグマ改善に必要な知識を検討したランダム化比較試験(Ojio et al. in press)、母のスティグマが子のスティグマ変化に影響すること(Ojio et al. in minor revision)、安静時機能的MRI計測による扁桃体-後頭葉の機能結合がスティグマ軽減介入効果と関係すること(Nakamura et al. under review)が分かった。また、予備的検討として、「経済的に成功すること」という価値観に重きを置いている人はスティグマが強いことが分かったため、今後独立したデータでも検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は計画していた研究参加者数を超えてデータを得ることができた。また、新学術領域計画研究の共同研究者との連携により、複数の論文化を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も当初計画通り研究を実施する。
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