研究領域 | 脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学 |
研究課題/領域番号 |
19H04883
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
板橋 貴史 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (70636943)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 思春期 / fMRI / 価値形成 / 対人関係 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
様々な環境要因の中で、親子関係、友人関係を含めた対人関係の質は、児童の健やかな発達を決める上で重要な環境因子の一つである。先行研究および申請者の研究により、対人関係の質が神経画像・問題行動の症状に影響を与えることは明らかであるが、対人関係の質が神経発達においてどのような役割を果たしているかは明らかになっていない。加えて、そのような役割が結果として問題行動や精神疾患発症の抑制をもたらしているかは不明である。本研究課題では、(1)対人関係の質が児の神経発達の加速・遅延のどちらを支持するものであるか、加えて、その効果が問題行動の抑止に影響しているのかを検証する。加えて、社会相互性やヒトとのコミュニケーションに障害を有する(2)自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder; ASD)においても、対人関係の質が同様の効果を有するのかを検証する。 当該年度では、東京ティーンコホート(TTC)のデータセットを使用し、父子関係、母子関係の児童の安静時脳機能結合への影響および児童の内在化・外在化問題への影響を検討した。母子関係・父子関係は児童の性別依存的に関連しており、それらの安静時機能結合が女子の内在化問題、男子の外在化問題を児の性別依存的に予測することを明らかにし、それらの結果をまとめ、論文を投稿した。また、ASDおよび注意欠如多動症を含む発達障害児童30名のMRIデータ、心理尺度を収集し、予備的解析を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集・解析含めて概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
発達障害児および定型発達児のMRIデータを更に集積をすすめ、論文化を行う。また、東京ティーンコホートの縦断データを用いて、対人関係の質が神経基盤、価値形成にどのように寄与しているかの解析をすすめる。
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