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2019 年度 実績報告書

「個性」創発メカニズム解明のためのシナプスイメージング法の開発と応用

公募研究

研究領域多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解
研究課題/領域番号 19H04898
研究機関東京大学

研究代表者

坂本 雅行  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00777865)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード「個性」創発 / 活動イメージング / 生後発達期 / シナプス
研究実績の概要

哺乳類のおける生後発達期(幼児期―思春期)における親から受ける養育は、子供の「個性」創発に最も大きな影響を与える環境的要因の一つである。本研究では、子供に最も大きな影響を与えるファクターの一つである親の養育行動が「個性」創発に及ぼす影響について明らかにするため、幼児期―思春期において、生きた動物からニューロンの形態や活動を計測するための手法の確立をおこなった。
令和元年度は、生後発達期においてシナプス前細胞(Pre)とシナプス後細胞(Post)の活動について、2光子励起顕微鏡を用いて同時に可視化可能な方法の開発をおこなった。具体的には、異なる色(緑と赤)のカルシウムセンサーを用いて、生後発達期における大脳皮質のシナプスの形態および活動変化を経時的に観察可能な方法を確立することができた。異なる色のセンサーの励起には、これまで波長の異なる励起光が必要とされてきたが、本研究では適切な励起波長の選択と画像処理をおこなうことにより、1波長での同時イメージングを実現することができた。
今後は確立したイメージング技術を用いて、光遺伝学あるいは薬理遺伝学的操作によって細胞種特異的に神経活動を変化させた時のシナプス活動の変化ならびに形態について解析をおこない、生後発達期における自発的活動の生理的意義について解明する。さらに、養育行動時間の制限をおこなった仔マウスの解析をおこない、不適切な養育行動が生後発達期の神経活動や回路形成に及ぼす影響について明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和年度の目標であった生後発達期におけるシナプス前細胞とシナプス後細胞の活動を同時に可視化する方法を確立することができた。

今後の研究の推進方策

確立したイメージング技術を用いて、光遺伝学あるいは薬理遺伝学的操作によって細胞種特異的に神経活動を変化させた時のシナプス活動の変化ならびに形態について解析をおこない、生後発達期における自発的活動の生理的意義について解明する。さらに、養育行動時間の制限をおこなった仔マウスの解析をおこない、不適切な養育行動が生後発達期の神経活動や回路形成に及ぼす影響について明らかにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Rational Engineering of XCaMPs, a Multicolor GECI Suite for In Vivo Imaging of Complex Brain Circuit Dynamics2019

    • 著者名/発表者名
      Inoue M, Takeuchi A, Manita S, Horigane SI, Sakamoto M, Kawakami R, Yamaguchi K, Otomo K, Yokoyama H, Kim R, Yokoyama T, Takemoto-Kimura S, Abe M, Okamura M, Kondo Y, Quirin S, Ramakrishnan C, Imamura T, Sakimura K, Nemoto T, Kano M, Fujii H, Deisseroth K, Kitamura K, Bito H.
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 177 ページ: 1346~1360.e24

    • DOI

      10.1016/j.cell.2019.04.007

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 遺伝子にコードされた膜電位センサーとその応用2019

    • 著者名/発表者名
      坂本 雅行
    • 学会等名
      Neuro2019
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Imaging voltage in dendritic spines with genetically encoded indicators.2019

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Sakamoto
    • 学会等名
      IBRO 2019
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Measuring Voltage in Dendritic Spines with Genetically Encoded Voltage Indicators.2019

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Sakamoto, Taekung Kwon, Darcy S. Peterka, Rafael Yuste
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学学会年会
  • [学会発表] 個性創発メカニズム解明のための神経活動イメージング2019

    • 著者名/発表者名
      坂本 雅行
    • 学会等名
      新学術領域「個性」創発脳 第4 回若手の会技術支援講習会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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