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2019 年度 実績報告書

雄マウス超音波求愛発声の個体差と対応する神経-生殖内分泌学的特徴

公募研究

研究領域多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解
研究課題/領域番号 19H04912
研究機関鹿児島大学

研究代表者

菅野 康太  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80722470)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードマウス / 音声コミュニケーション / 生殖
研究実績の概要

マウスの音声コミュニケーションは、病態モデルの遺伝子改変マウスなどでも解析がなされ、近年注目されている。それにも関わらず、神経メカニズムが不明で あるどころか、各発声内容に含まれる「意味」も不明瞭なまま用いられてきた。しかし、申請者は、個体の性的動機づけの強さに応じて発声回数が増加するとと もに、発声内容も複雑化することを見出している。このことは、個体差として観察されるだけでなく、個体内変動としても観察される。つまり、同一個体でもその時々で発声パターンが変化する。
(1)申請者はこれまでに、発声の多い個体では脳内報酬系である中脳腹側被蓋野のドーパミン神経が活性化していることを組織学的に確認し 、その際、音節が複雑化することを観察している。発声が生じ音節が変化する際のドーパミン神経の活動をリアルタイムにイメージング観察することで、マウス超音波発声が神経活動と対応した情動状態の表出であることを示すととともに、その個体差と対応する神経活動を観察することを、本研究の目的の一つとしている。H31-R1年度は、神経活動と音声を同期記録する方法について模索し、その目処をつけた。
(2)最近の申請者の研究結果を踏まえ、生殖生理・内分泌機構に注目する。特に、発声回数と精子活性が相関するという仮説を検証することを目的とする。H31-R1年度に、発声回数と精子濃度が実際に相関することを突き止めた。
(3)近年我々が開発した自動解析システムをさらに精緻化し、研究とデータシェアを推進させる。H31-R1年度に、自動解析システムを公開した。
上記内容について、各種学会などに招待され、研究発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)神経活動と音声を同期記録するためのデバイスが今年度初頭に完成する。
(2)仮説が実証され、発声回数の個体差と精子濃度が正の相関をすることを示すことができた。
(3)独自の自動音声解析システムについて論文かするとともに、公開をすることができた。

今後の研究の推進方策

(1)神経活動と音声を同期記録するための新規デバイスを用い、実証実験を行う。
(2)発声回数の個体差と精子濃度に加え、血漿性ホルモン濃度との関係を検討する。
(3)独自の自動音声解析システムを活かした解析を継続する。

備考

(1)音声研究に関する解析技術等を公開したサイト
(2)当該新学術領域で申請者が立ち上げと運営を行うデータ共有サイト

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] USVSEG: A robust method for segmentation of ultrasonic vocalizations in rodents2020

    • 著者名/発表者名
      Tachibana Ryosuke O.、Kanno Kouta、Okabe Shota、Kobayasi Kohta I.、Okanoya Kazuo
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 15 ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0228907

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] AUTS2 regulation of synapses for proper synaptic inputs and social communication2019

    • 著者名/発表者名
      Hori Kei、Yamashiro Kunihiko、Nagai Taku、Shan Wei、Egusa Saki F.、Shimaoka Kazumi、Go Yasuhiro、Tatsumoto Shoji、Yamada Mitsuyo、Shiraishi Reika、Kanno Kouta、Miyashita Satoshi、Sakamoto Asami、Abe Manabu、Sakimura Kenji、Sone Masaki、Sohya Kazuhiro、Kunugi Hiroshi、Yamada Kiyofumi、Hoshino Mikio
    • 雑誌名

      bioRxiv(プレプリント)

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/871012

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Paternal aging causes atypical development of vocal communication in neonatal mice2019

    • 著者名/発表者名
      Mai Lingling、Kimura Ryuichi、Inada Hitoshi、Kanno Kouta、Matsuda Takeru、Tachibana Ryosuke O.、Yoshizaki Kaichi、Komaki Fumiyasu、Osumi Noriko
    • 雑誌名

      bioRxiv(プレプリント)

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/738781

    • オープンアクセス
  • [学会発表] マウスの音声コミュニケーション2019

    • 著者名/発表者名
      菅野康太
    • 学会等名
      第72回 日本自律神経学会総会 シンポジウム6「自律神経研究へアプローチする新しい方法論」
    • 招待講演
  • [学会発表] 動物心理学におけるマウス超音波発声の今後の可能性2019

    • 著者名/発表者名
      菅野康太
    • 学会等名
      日本動物心理学会第79回大会 自由集会「動物行動実験・解析手法の展開」
  • [備考] Vocal communication Japan

    • URL

      https://sites.google.com/view/vocalcommuj/home

  • [備考] koseisouhatsu Data Sharing Platfor

    • URL

      http://data-share.koseisouhatsu.jp

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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