研究領域 | 数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H04950
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大戸 梅治 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90451856)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シグナル伝達 / TLR受容体 / 自然免疫 / クライオ電子顕微鏡 / 膜受容体 |
研究実績の概要 |
生体中において一回膜貫通型受容体は種々の局面で重要な役割を果たしている。例えば免疫において微生物など病原体の構成成分は一回膜貫通型受容体であるToll-like receptors (TLRs)などの病原体センサーによって認識され様々な免疫応答を引き起こす。これら一回膜貫通型受容体は、様々な病気の治療薬のターゲットとされている。しかし、一回膜貫通型受容体の機能発現機構は主に細胞外のシグナル受容ドメインと細胞内のシグナル伝達ドメイン個別に研究されてきた。そのため、細胞外ドメインと細胞内ドメインの間で細胞膜を介してどのような協働性が存在してシグナルが伝達されるのかに関する実験的証拠があまりにも乏しいため、現状では前者と後者の間の関連性はほとんど憶測の域を出ない。本課題では,主に全長の受容体を用いてこの細胞外ドメインと細胞内ドメインの協働性を構造生物学的に明らかにし、真の意味でのリガンド認識とシグナル伝達機構を明らかにすることを目的とする。 今年度は、TLR全長の活性化状態の3次元構造を解明することに注力した。まず、TLR全長を、脂質環境を模したナノディスクに効率的に再構成する条件検討を重点的に検討した。ナノディスク形成に使用する膜足場タンパク質の検討、脂質の検討、再構成手順の検討を行った。その結果、1分子のTLR全長を再構成する条件およびリガンドを介した2分子のTLR全長を再構成する条件をそれぞれ最適化することに成功した。さらに、2分子のTLR全長をナノディスクに再構成した試料に関して、クライオ電顕での構造解析を進めた。サンプルの調製方法、グリッドの凍結条件などを検討し、十分に粒子が分散したクライオ電顕像が得られるようになった。今後、さらに条件を検討することで、脂質二重膜上での活性化型のTLR全長の構造解析が可能となる見通しである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の大きな目標の一つであるTLR全長の構造解析に向けて、大きな進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き脂質二重膜上でのTLR全長の構造解析を達成することに注力する。
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