現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、1)p18複合体とその活性制御因子との相互作用の分子基盤解析、2)mTORC1シグナルの数理モデルの構築、3)大腸上皮におけるp18複合体の生理機能の解析、の三つの課題について研究を進めてきた。P18複合体の機能解析に関しては、精製タンパク質を用いた電子顕微鏡による解析を進めてきたが、先に報告されたため中断し、関連する分子(p18, Gator1, FLCN, TSC1/2, Rhebなど)をゲノム編集でノックアウトした細胞をして、遺伝学的にp18複合体の役割を検証することに成功した(論文投稿中)。また、その系において、これまでにない新しいメカニズムの存在が見出された。数理モデルに関しては、モデル構築までできてきたため、今後シミュレーションに取り組む予定である。大腸上皮での生理機能解析は組織およびオルガノイドでの解析はほぼ終了し、p18-mTORC1シグナルのゴブレット細胞におけるムチン産生における重要かつ特異的な機能を明らかにすることに成功した(論文投稿中)。以上より、概ね順調に進捗したと判断している。
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