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2020 年度 実績報告書

感覚組織形成に働く接着力と表面張力を制御する細胞間シグナルの解明

公募研究

研究領域数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解
研究課題/領域番号 19H04965
研究機関神戸大学

研究代表者

富樫 英  神戸大学, 医学研究科, 助教 (90415240)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード細胞間接着 / 細胞選別 / 数理モデル
研究実績の概要

組織形成の過程では細胞間の接着力や張力の違い、さらに運動の制御といった様々な要因が関与することが知られており、古くから数理モデル化による理解が進められてきた。実際の組織には多様な細胞形態が含まれ、これら複数種類の細胞間での相互作用によって組織形成が進むが、これらを同時に適切に扱える数理モデルは、いまだ存在しない。本研究では鼻腔の嗅上皮と内耳の聴覚上皮での細胞の再配列運動をモデルに、細胞間の接着を起点としたシグナルによる接着力と張力の制御メカニズムを明らかにした上で、多様な細胞形態や相互作用を含む新たな組織形成モデルの構築を目標に研究を進めてきた。
嗅上皮や聴覚上皮といった感覚上皮組織では感覚細胞と支持細胞の2種類の細胞が自ら動いて特徴的なモザイクパターンに並ぶ。この自律的な再配列運動の過程を詳細に見ると、2種類の細胞はそれぞれ異なる接着分子を発現しており、同種細胞間よりも異種細胞間の接着力が強いという胞間の接着力の差が駆動力となって、細胞の割り込みが引き起こされてモザイク様に並ぶ。割り込みを伴う並び替え運動には、接している細胞辺ごとの接着力の差とともに、ミオシンを介した接着面の収縮が必要であることがわかっている。本年度までに、これまでの感覚上皮組織と培養細胞の解析から得られたパラメータをもとに研究協力者らとともに従来のモデルでは表現することが出来ない曲線などの多様な形態を含む上皮構造を再現するための新たな数理モデル「界面ネットワーク運動モデル」の構築を行い、現在投稿中である。新しいモデルを確立できたことにより、実験との相違点などの問題点も明らかになり、今後精緻化を行うとともに、さらに発展を進める。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] A level set-based approach for modeling cellular rearrangements in tissue morphogenesis2020

    • 著者名/発表者名
      Rhudaina Z Mohammad, Hideki Murakawa, Karel Svadlenka, and Hideru Togashi.
    • 雑誌名

      Research Square

      巻: - ページ: -

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Asymmetric distribution of cadherin-catenin complex drives cell intercalations in nectin-dependent mosaic cellular pattern formation2020

    • 著者名/発表者名
      S. Kuno, S. Katsunuma, A. Suzuki, and H. Togashi.
    • 学会等名
      53rd Annual meeting of the Japanese Society of Developmental Biologists
  • [学会発表] 異なるネクチンの細胞間相互作用は、カドヘリン・カテニン複合体の偏在を作り出すことで2種類の細胞のモザイクパターンを形成する2020

    • 著者名/発表者名
      富樫 英
    • 学会等名
      第72回 日本細胞生物学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 自己組織的な極性形成によるモザイクパターン形成2020

    • 著者名/発表者名
      富樫 英
    • 学会等名
      細胞極性研究会
  • [学会発表] Cellular interactions and molecular dynamics in mosaic cellular pattern formation2020

    • 著者名/発表者名
      Hideru Togashi
    • 学会等名
      第43回 日本分子生物学会年会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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