研究領域 | 人工知能と脳科学の対照と融合 |
研究課題/領域番号 |
19H04990
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大関 洋平 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10821994)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 言語処理 / 計算認知神経科学 / 神経計算モデリング / 脳磁図 / 脳波 / 皮質脳波 / 確率オートマトン / 人工ニューラルネットワーク |
研究実績の概要 |
まず、語彙処理の計算認知神経科学に関しては、ニューヨーク大学の研究者と共同で、容認性判断の行動実験と確率オートマトンによる計算モデリングを実施し、研究成果は国際ジャーナルFrontiers in Psychologyに掲載される予定である。更に、語彙判断の脳磁図(MEG)実験と確率オートマトンによる神経計算モデリングを実施し、研究成果を自然言語処理の国際会議SCiLで発表・出版した。
また、文処理の計算認知神経科学に関しては、国立障害者リハビリテーションセンターおよび住友重機械工業株式会社と共同で、新型の脳磁計による脳磁図(MEG)実験を、早稲田大学の融合脳科学研究所およびTMGあさか医療センターと共同で、皮質脳波(ECoG)実験を、国立国語研究所の大規模コーパスである『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)を刺激として実施した。更に、国立国語研究所のコーパス開発センターと共同で、国立国語研究所の大規模コーパスである『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)を刺激として脳波(EEG)実験を実施し、研究成果を自然言語処理の国際会議LRECで発表・出版した。現在は確率オートマトンおよび人工ニューラルネットワークによる神経計算モデリングに着手している。
これらの研究実績は、理化学研究所脳神経科学研究センターのワークショップ、国立情報学研究所の湘南ミーティング、生体医工学会のマルチモーダル脳情報応用技術研究会など様々な学会で招待講演として発表した。加えて、令和2年度には「脳と心のメカニズム」ワークショップでの招待講演が決定しており、本新学術領域の計画研究代表者である立命館大学の谷口忠大氏と、言語を対象とした人工知能と脳科学の融合に向けた概説論文を執筆し、Neuroscience Researchの特集号に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
語彙処理の計算認知神経科学に関しては、重複制限のため辞退した研究活動スタート支援を引継ぎ、予想以上に進展している。一方、文処理の計算認知神経科学に関しては、当初予期していなかった新型コロナウイルスの影響で実験の中止・延期を余儀なくされたため、やや遅れている。これらを総合的に判断して、現在までの進捗状況の区分を「(2)おおむね順調に進展している。」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、一年目に脳磁図(MEG)および皮質脳波(ECoG)実験を完了し、二年目に確率オートマトンおよび人工ニューラルネットワークによる神経計算モデリングを実施する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で実験再開の目処が立たないため、今後の研究の推進方策として神経計算モデリングに重点を置く。
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