公募研究
(1) ALMA Cycle 4観測成果のとりまとめ: 2015年10月に取得したALMA Cycle 4の観測データについて、メタノール輝線の解析から円盤を取り囲む降着エンベロープの質量と力学構造および質量降着率の推定に成功し、降着率の大きさから原始星年齢が極めて若いことを明らかにし、査読論文を発表した(Motogi et al.2019)。また国立天文台と共同でプレスリリースを行なった。(2) ALMA Cycle 6観測成功: G353の降着円盤に対して230 GHz帯で30ミリ秒角分解能の観測を行った。Cycle4における150 GHz帯データで捉えられた非対称なダスト放射が真に円盤の構造であることが明らかになった。350 GHz帯については予定の分解能を達成できなかったが、逆に広がったエンベロープ構造を捉えることに成功した。(3) Cycle 7への観測提案採択: 星形成効率を決定し、最終的な星質量を推定するため、新たなALMA観測の提案として分子アウトフローの観測提案を行った。12m配列への提案は不採択となったが、追加提案したACAのみの補助提案は無事に採択された。230 GHz帯のCO輝線については高分解能データがCycle6で取得されているため、本観測によりミッシングフラックスを補完し、アウトフローの合計質量と全体構造を復元することが期待される。(4) 大質量星形成ワークショップ2020の開催: 幅広い空間スケールで観測および理論研究者を招聘して研究会を開催した。大学院生も含めて30人程度の参加者から各空間スケールにおける最新の観測状況の報告があったほか、それを踏まえて次世代干渉計で行うべき観測に関する議論を行った。
3: やや遅れている
新型コロナウィルスの影響により移動制限や学会中止などが起こったため、詳細な研究打ち合わせが不可能となったことで天体モデル作成や理論研究との比較において遅延が生じた。
オンラインミーティングの環境を十分に整えたため、共同研究者との研究打ち合わせを緊密に行って観測と理論の比較を行っていく。また研究成果の発表ついては学会のオンライン開催が定常化したため随時発表していく予定である。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
The Astrophysical Journal Letters
巻: 877, 2, L25 ページ: 1-8
10.3847/2041-8213/ab212f
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/weeklynews/_7735/_7917.html