研究実績の概要 |
惑星は、原始惑星系円盤と呼ばれるガス円盤の中で、ダストと呼ばれる固体微粒子が付着成長することで形成される。その中で我々は、近年急速に発展している原始惑星系円盤のミリ波偏光観測を用いたダスト成長の制限を行ってきた。
これまでの研究において、原始惑星系円盤のミリ波偏光のメカニズムは、散乱成分と整列したダストによる直接放射の2つが提案されていた。この存在は、原始惑星系円盤HL Tauの多波長観測によって確認されており、短波長側の波長0.9mmでは散乱が支配的である一方、長波長側の3.1mmでは整列が支配的であるということが指摘されていた。これに対して我々は、整列が支配的であるとされている3.1mmのデータについて、散乱成分も含まれているのではないかと仮設を立て、詳細なモデリングを行った。その結果、輻射輸送計算と空間分解されたHL Tau 3.1 mmの偏光パターンを比較したところ、散乱成分と整列成分がおおよそ半々程度に含まれているモデルが最も整合的であることがわかった。本成果はThe Astrophysical Journalにて出版された(Mori and Kataoka, 2021, ApJ, 908, 153)
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