公募研究
惑星は年齢が100万年程度の若い星を取り巻く原始惑星系円盤と呼ばれるガスやダスト(大きさ1マイクロメートル程度)で構成された円盤内で形成されると考えられている。しかし、惑星形成論における最大の未解決問題の1つとして、惑星の構成要素であるダストが微惑星へと成長する前に中心星へ落ちるダスト落下問題がある。近年、大型電波干渉計ALMAによって、ダスト落下を抑制していると思われるリング状円盤が中心星から半径数10天文単位の位置に発見されている。しかし、半径数天文単位に位置する地球型惑星形成領域においてもダスト落下を抑制しているかは明らかではない。本研究では、ALMAを用いて半径数天文単位の位置にリング円盤を探査し、地球型惑星形成領域においてダスト落下が止められている観測的証拠を捉えたい。本研究遂行のために、ALMAサイクル6に観測提案2つ(ID: 2018.1.00689.S および2018.1.01755.S)が採択済みで、7天体の原始惑星系円盤の高空間分解能観測(空間分解能3天文単位程度)が2019年夏ごろに行われた。その後ALMA側のデータのクオリティ確認などを経て、同年秋ごろに較正済みデータが届けられた。特におうし座DM星では、半径3天文単位のリング円盤において、モデル円盤を観測データから引き算したところ、半径3天文単位のリング円盤の中にさらに点源が確認された。SEDとの比較から半径1天文単位にさらにリング円盤があることがわかった。地球公転軌道でダスト落下が止められていることかもしれない。本成果はAstrophysical Journal (Hashimoto et al. 2021, ApJ, 911, 5)に掲載された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 7件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (1件)
Research Notes of the AAS
巻: 5 ページ: 9~9
10.3847/2515-5172/abdaaa
The Astrophysical Journal
巻: 908 ページ: 250~250
10.3847/1538-4357/abba76
巻: 909 ページ: 212~212
10.3847/1538-4357/abdfc5
The Astronomical Journal
巻: 159 ページ: 222~222
10.3847/1538-3881/ab811e
巻: 895 ページ: L18~L18
10.3847/2041-8213/ab8eb4
Journal of Astronomical Telescopes, Instruments, and Systems
巻: 6 ページ: 1~1
10.1117/1.JATIS.6.4.045004
巻: 160 ページ: 283~283
10.3847/1538-3881/abc69a
Proceedings of the SPIE
巻: 11448 ページ: 1~1
10.1117/12.2562832