研究領域 | 新しい星形成論によるパラダイムシフト:銀河系におけるハビタブル惑星系の開拓史解明 |
研究課題/領域番号 |
19H05090
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
樋口 あや 国立天文台, 天文データセンター, 特任研究員 (00648214)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | デブリ円盤 / ALMA望遠鏡 / 原始惑星系円盤 |
研究実績の概要 |
近年ALMA望遠鏡の観測が進み、惑星形成の最終段階だと考えられている「デブリ円盤」にはほとんどないと考えられてきた「ガス成分」が多くの天体で発見され、その起源が注目されている。本研究では、デブリ円盤のガスの化学組成に着目し、その起源が、形成過程で残存されたものであるのか、あるいは塵からの2次的供給であるのかを探る。本年度は、すでに昨年度に観測され、配布されていた、ALMA望遠鏡の炭素原子ガスのデータを用いて、2本の論文を出版することができた。ALMA望遠鏡の観測から、くじら座49番座のデブリ円盤の、高い空間分解能の炭素原子ガスのイメージを報告することができ、さらに炭素原子ガスの同位体の初検出にも成功した。これら2つの内容については、国立天文台からプレスリリースを行った。本年度は、これらの観測結果に加えて、昨年度に観測提案書が受理されていた「ACAアレイを用いたデブリ円盤におけるガスサーベイ観測」が、Cycle 6 (2018年10月-2019年10月)で実行され、新たに3天体の炭素原子ガスのデータが配布された。この結果については、国内外の共同研究者とデータを共有し、論文化を進めている。 さらにこれらの観測データとは独立に、デブリ円盤のALMA望遠鏡による一酸化炭素分子ガスサーベイのアーカイブデータを再解析し、物理的・化学的視点から、ガス起源を理解することを目的とした研究を進め、論文の執筆も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ALMA望遠鏡を用いたデブリ円盤のガスサーベイ観測(観測期間:2018年10月-2019年10月)が実行されたことが大きく、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
配布されたALMA望遠鏡のデータに関する論文化を行い、さらに、ALMAのアーカイブデータを用いて、デブリ円盤に付随するガスのサーベイ観測の論文化を行う。
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