研究領域 | ニュートリノで拓く素粒子と宇宙 |
研究課題/領域番号 |
19H05100
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮武 広直 名古屋大学, 高等研究院(理), 特任助教 (20784937)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 宇宙論銀河団 / 観測的 / CMBレンズ効果 / ニュートリノ |
研究実績の概要 |
本研究計画の目標は、すばる望遠鏡広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam (HSC)や高感度・高分解能高宇宙マイクロ波背景放射サーベイであるPlanck衛星やAdvanced Atacama Cosmology Telescope Polarimeter (AdvACT) 赤方偏移銀河団のデータを組み合わせ、高赤方偏移銀河団の質量関数を測定することによって、ニュートリノ質量和に上限をつけることである。今年度はHSCで発見された高赤方偏移銀河団を用いたPlanck衛星によって測定された宇宙マイクロ波背景放射における重力レンズ効果(以下CMBレンズ効果)の測定を通して、CMB重力レンズ効果測定と理論解釈のためのソフトウェア・パイプラインの開発を行った。また、HSCで発見されたz~4の遠方銀河によるCMB重力レンズ効果をPlanck衛星のデータを用いて測定した。これはこの赤方偏移領域の銀河では世界で初めての暗黒物質分布測定となる。 来年度は、Planck衛星のデータを用いた銀河団-CMB重力レンズ効果の解析をさらに発展させ、AdvACTのデータを用いてより高い信号雑音比でCMB重力レンズ効果を測定する。これを用いて銀河団質量関数を推定することで、ニュートリノ質量和の上限に制限を付ける。また、今年度測定したz~4の銀河-CMB重力レンズ効果とすでにある同じ銀河サンプルの自己相関関数を組み合わせることにより、この赤方偏移領域の宇宙の大規模構造を用いた宇宙論制限を世界で初めて付けることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は銀河団及び銀河の周りのCMBレンズ効果を測定するソフトウェア・パイプラインの開発を行い、HSCやPlanck衛星のデータを用いてCMBレンズ効果を測定することに成功した。また、測定したCMBレンズ効果を観測データにおけるエイリアシングなどを考慮しながら理論解釈するソフトウェアの開発を行い、来年度に行う宇宙論解析の基盤を整えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はAdvACTコラボレーションと協力し、HSCで発見された高赤方偏移銀河団のCMBレンズ効果を測定する。HSCとAdvACTはデータ交換のための協定覚書を締結しており、まだ公開されていない最新のデータを用いることができる。これにより、世界最高精度で高赤方偏移銀河団のCMBレンズ効果を測定することを目指す。また、今年度測定されたz~4の高赤方偏移銀河のCMBレンズ信号と、すでにある自己相関関数の測定を用いて宇宙論に制限を付ける研究を行う。
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