公募研究
本研究は、当該新学術領域研究課題で、高圧ねじり加工などの高次塑性加工で導入されたキンク形態とその分布が材料強化に与える影響の定量化を担当していることで、これらの実験データの理解には、単純なひずみ分布が得られ、かつ塑性加工温度を容易に変更できる『ねじり加工』により得られたデータをフィードバックする必要があると考え、キンク強化させるための最適塑性加工プロセス確立を目的とし、単純なひずみ分布が得られる『ねじり加工』を種々の温度で行った場合のキンク形態およびその分布に関する基礎的な知見を得ることを目的として実施した。初年度は鋳造時にLPSO 相が形成されるタイプのMg-2at%Y-1at%Zn合金を用いた研究を行った。この合金系LPSO 合金は供試材が作製され、得られた研究結果は当該領域研究の全計画研究班で比較可能である。鋳造まま材の高温ねじり試験ではキンクを形成させることができ、高強度化できたが、押出材はねじり変形が再結晶粒に集中するためにさらに強度を付加することは出来なかった。そこで、次年度は鋳造材を熱処理して、結晶粒内にLPSO相がミルフィーユ状に析出したラメラ合金を用いて、キンク変形の発生状況とその形態、および分布状況から、閾値となるひずみ量ならびに加工温度を抽出し、キンク形成素因子を明らかすることを試みた。その結果、高温ねじり変形挙動において、400℃と500℃でその加工硬化挙動に大きな差異が見られた。400℃変形までは加工硬化を示すが、500℃では加工硬化しなかった。これはキンク変形よりも非底面すべりの活動が活発になったからであると考えられる。また、LPSO単相材であるMg-9at%Y-6at%Zn鋳造材においても高温ねじり変形により高強度化が達成でき、同班の同じ供試材で様々な冷間・温間塑性加工法での強化能と比較して、低相当塑性ひずみ量で大きな強化を示すことが分かった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Materials Science and Engineering: A
巻: 780 ページ: 139144~139144
10.1016/j.msea.2020.139144