公募研究
本研究課題では重合阻害剤を溶解させた水面上に紫外線硬化樹脂を展開し,紫外線を照射することでサブミクロンスケールのしわを作製するナノリンクルフィルムをミルフィーユ構造と見立てて,ナノスケールのしわがフィルムの強度向上に寄与するかどうかを解明する研究である。ナノリンクルフィルムの強度を測定する際にナノインデンターを使用したが,ナノインデンターで測定を行うためには,平らなフィルムを作製する必要があった。ナノリンクルフィルムで平らなフィルムを作製することは困難を極めて,ナノインデンターに供する十分な数のフィルムを作製することができなかった。ナノリンクルフィルムの作製プロセスを見直して,平らでナノインデンテーション測定に供しやすいフィルムの作製を行えるようにプロセスの改善を行う必要がある。一方で,試行点数は少ないものの,リンクルのしわの間隔とフィルムの表面弾性率の関係には負の相関があることが分かった。すなわちリンクルのサイズを小さくしていくとフィルムの弾性率は増加した。最も小さな弾性率を示した2マイクロメートルの弾性率は,リンクルがないフィルムの弾性率と等しくなった。すなわちリンクルを作成してもフィルムの弾性率向上は見られなかった。更にリンクルのサイズを小さくし,サブミクロンスケールとすればリンクルの無いフィルムに比べて弾性率の向上が起こるかどうかについて現在検討している。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Journal of Photopolymer Science and Technology,
巻: 33 ページ: 355-360
10.2494/photopolymer.33.355
Journal of Photopolymer Science and Technology
巻: 33 ページ: 609-613
10.2494/photopolymer.33.609