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2020 年度 実績報告書

ミルフィーユ構造における硬質・軟質層の原子結合状態を反映した弾性不均質性の解明

公募研究

研究領域ミルフィーユ構造の材料科学-新強化原理に基づく次世代構造材料の創製-
研究課題/領域番号 19H05128
研究機関大阪大学

研究代表者

多根 正和  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80379099)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード弾性論 / マイクロメカニックス / 材料組織
研究実績の概要

本新学術領域で対象とするミルフィーユ構造は、強い原子間結合からなる硬質層と弱い結合からなる軟質層で構成された層状構造である。このため、ミルフィーユ構造には、硬質・軟質層間の原子間結合の不均質性に起因した弾性不均質性が発現すると考えられる。本年度は、まず、層状の異方的な結晶構造を有するTi3SiC2 MAX相・単結晶の弾性特性を単位体積当たりの価電子濃度を指標として解析した。その結果、Ti3SiC2 MAX相においては、同様の結晶構造を有する他のMAX相と比較して、単位体積当たりの価電子濃度が高く、それに起因してc軸方向のヤング率が他のMAX相と比較して高くなっていることが明らかとなった。この結果として、Ti3SiC2 MAX相・単結晶が異方的な結晶構造にもかかわらずほぼ等方的な弾性特性を示すことがわかった。
次に、第一原理計算を用いて、層状の結晶構造における層間の弾性不均質性の解析を行った。解析の結果、Ti3SiC2 MAX相は、層状の結晶構造を反映した層間の弾性不均質性を示すことが明らかになった。具体的には、C-Ti(1)およびTi(2)-C結合層は弾性的に強く、硬質層の特徴を示し、一方で、Ti(1)-Si結合層は弾性的に弱く、軟質層の特徴を示すことが明らかとなった。
Ti3SiC2, Ti3AlC2, Ti3InC2のMAX相を比較した場合、Ti3SiC2では、Ti(1)-Si結合が、Ti3AlC2やTi3InC2のTi(1)-(Al,In)結合に比べて相対的に強く、その結果として、Ti3SiC2ではc軸方向のヤング率が高くなっていることが明らかとなった。さらに、Ti(1)-Si結合の相対的な強さは、Siのp電子に起因するSi原子周辺の電子局在化等に起因していることを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Wuhan University of Technology(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      Wuhan University of Technology
  • [雑誌論文] Elastic isotropy originating from heterogeneous interlayer elastic deformation in a Ti3SiC2 MAX phase with a nanolayered crystal structure2021

    • 著者名/発表者名
      R. Liu, M. Tane, H. Kimizuka, Y. Shirakami, K. Ikeda, S. Miura, K. Morita, T. Suzuki, Y. Sakka, L. Zhang, T. Sekino
    • 雑誌名

      Journal of the European Ceramic Society

      巻: 41 ページ: 2278~2289

    • DOI

      10.1016/j.jeurceramsoc.2020.11.026

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Ti3SiC2 MAX 相単結晶の弾性特性2020

    • 著者名/発表者名
      多根 正和, 劉 茹霞, 君塚 肇, 白紙 悠之, 池田 賢一, 三浦 誠司, 森田 孝治, 鈴木 達, 目 義雄, 関野 徹
    • 学会等名
      日本金属学会第167回講演大会(2020年秋期大会)

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公開日: 2022-12-28  

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