研究領域 | ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理 |
研究課題/領域番号 |
19H05162
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米澤 徹 北海道大学, 工学研究院, 教授 (90284538)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ハイエントロピーナノ粒子 / 物理合成 / プラズマ |
研究実績の概要 |
液中プラズマプロセッシング用の合金インゴットを溶融法(高周波法)によって作製し、それを用いて物理法によってナノ粒子を合成することを試みた。ただ、このインゴットを線状にすることが困難であったため、まずは板のままナノ粒子化することとした。水中にこのインゴットを沈め、プラズマをたてることでナノ粒子を作製した。プラズマ生成法としては、今回レーザーパルス照射(レーザーアブレーション)を採用した。作製した金属インゴットは数種類で、それぞれ表面酸化を除去したのち、レーザーを照射した。得られたナノ粒子を回収し、TEM、STEMによってその構造観察を行った。EDX、EDXマッピングも行い、粒子の微細構造についても検証した。 得られたナノ粒子は、目立ったファセットもなく真球に近い形をしていた。これは超高温プロセスであるプラズマ法で合成したナノ粒子の特徴である。得られたナノ粒子分散液は数日は安定で、保護有機物を必要とはしなかった。数日たつと沈殿が見られるようになった。これは貴金属ナノ粒子の例とほぼ変わらなかった。得られたナノ粒子の詳細構造について検討した結果、一部の金属(合金)が粒子内で球状に析出している場合が見え、残念ながら必ずしも完全固溶体とならない場合が見受けられた。これは高温から急冷されたことによる析出であるとも考えられる。また、水中でナノ粒子を合成したためか酸化物が形成されていることもわかった。 また、液中プラズマ用の棒材についても検証を始めているが、まだ粒子の量が取れていないので大量合成について検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイエントロピー合金のインゴットの作製に成功し、液中プラズマの1種であるレーザーアブレーション法によるナノ粒子合成ができた。しかしながら、部分析出や酸化が観察され、2020年度以降、還元性溶媒の使用などを検討し、完全固溶体ナノ粒子を得る。
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今後の研究の推進方策 |
棒材の作製と液中プラズマによるナノ粒子合成検証に注力する。必要な場合には線材の作製を外注することも考えている。
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