研究領域 | マルチスケール精神病態の構成的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H05212
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
王 丹 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (50615482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 修飾塩基 / イノシン / N1-アデノシン / シナプス / 網羅解析 / NGS |
研究実績の概要 |
2019年度は予定通りこれまでに報告されたヒト精神疾患に関わるmRNA, tRNA, mtRNAのm6A修飾塩基のほか、脳に高く発現するN1-メチル-アデノシン(m1A)およびイノシン(I)の2つの修飾塩基のシナプス局在を網羅的に解析するためのライブラリー作成を行い、次世代シーケンサーで配列解読を行った。m1A修飾部位を網羅的に同定するためには、m1A修飾RNAに対する抗体を用いて免疫沈降法と逆転写反応を組み合わせたが収量が不足してライブラリー作成ができなかったが、2019年11月に新しい逆転写酵素RT-1306が発表され、m1A依存的に変異を導入する原理を利用して再解析を試みた。ここではバイオインフォマティクス解析に資する安定したリード数が得られ、nested PCRとサンガーシーケンスでバリデーションを行なっている。A-to-I編集では、ICE-seq法を用いて解析を行った。その結果、数千の編集サイトが同定でき、Gria2とADAR2など既知の編集サイトが同定リストに含まれていることから、一定の検出率をもって実験が成功したように見える。さらに、8種類のRNA修飾酵素について、分散培養した海馬由来の神経細胞にノックダウンベクターを導入して神経細胞の発達における表現型(樹状突起の成長パターンとスパイン形態)を測定し、修飾関連タンパク質の機能を検証している。ここまでの結果をまとめると、神経シナプスには既知のm6A以外のRNA修飾m1Aおよびイノシンも存在し、神経細胞の形態形成および機能発達に役に立つ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度は予定通りこれまでに報告されたヒト精神疾患に関わるmRNA, tRNA, mtRNAのm6A修飾塩基のほか、脳に高く発現するN1-メチル-アデノシン(m1A)およびイノシン(I)の2つの修飾塩基のシナプス局在を網羅的に解析するためのライブラリー作成を行い、次世代シーケンサーで配列解読を行った。さらに、計画時に発表されていなかった新しい技術でm1A-seqを行ったため、計画した内容を上回る結果も期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度に行った大規模シーケンシングの結果に基づき、生化学的な手法を用いてサイト特異的に検証をする予定であり、計画通りである。さらに大脳皮質における感覚野におけるシナプスの検証はすでに始めており今後手法を確立および定量評価を進める計画通りの内容である。
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