公募研究
申請者が独自に開発した自閉症モデル群では、社会性を司ることが知られている前頭前皮質のE/Iバランスが発達期のみに崩れていることを解明した。回路発達にみられるE/Iバランス機構のエンドフェノタイプに着目することで、自閉スペクトラム発症の構成的理解に挑戦する。「幼児期にE/Iバランスが崩れることがきっかけとなり自閉症表現型が現れる」という仮説のもと、抑制回路への介入によって、自閉症モデルのE/Iバランス異常を補正すると治療され、バランスをさらに崩すと社会性がさらに悪化することを明らかにし、幼児期E/Iバランスが発症の鍵となることを見出した。さらには、E/Iバランスが崩れる直前の一週間だけFoxG1遺伝子操作を実施するのみで自閉化することから、モデル動物の発症を左右する時期を同定した。一連の解析から、自閉症モデル動物における発症の臨界期という新たな概念を提唱し、抑制系への介入による治療および悪化の両モデルの樹立にも成功した。挑戦的な仮説検証研究によって自閉スペクトラム症精神病態の構成的理解を深め、新たな発症コンセプトおよびモデル動物の創出にも成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
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