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2019 年度 実績報告書

代謝調節を介したオス胎仔生殖細胞のインテグリティ構築機構の解明

公募研究

研究領域配偶子インテグリティの構築
研究課題/領域番号 19H05238
研究機関東北大学

研究代表者

林 陽平  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00588056)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード生殖細胞 / セリン代謝 / エピゲノム / インテグリティ制御
研究実績の概要

本研究では、胎齢13.5日のオス始原生殖細胞で特異的にエネルギー代謝や物質合成が亢進していることに着目し、環境要因を介した代謝調節の変化が、オス生殖細胞系列における始原生殖細胞から精原幹細胞への分化制御とインテグリティの構築において、どのような仕組みでどのような役割を担うかを包括的に解明することを目的とした。そのために、(i) 様々な環境条件でオス胎仔生殖巣の器官培養を行い、各代謝系のオス胎仔生殖細胞分化への寄与を包括的に検証した。その結果、セリン・グリシン・メチオニン代謝経路がオス生殖細胞の分化に重要な役割を果たすことを見出し、2020年の論文発表につながった。また、(ii) 器官培養において変化が見られたセリン代謝系にさらに着目し、主要代謝酵素遺伝子の生殖細胞特異的ノックアウトにより生体内のオス胎仔生殖細胞分化への影響を検証した結果、ノックアウトマウスにおける生殖細胞異常を確認している。これらの研究をさらに発展させ、セリン代謝が生殖細胞の分化とインテグリティ制御に関わる分子メカニズムの解明に迫る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定では、2019年度には、(i) オス胎仔生殖巣器官培養における環境変化による生殖細胞分化への影響の検証、(ii) 代謝酵素遺伝子の生殖細胞特異的KOによる生殖細胞分化への影響の解析を進める予定であった。実際には、これらの解析を終了し、さらに着目しているセリン代謝系がエピジェネティック制御に関わるという分子メカニズムに迫る結果を得たことで、(iii)の分子メカニズム解析も順調に進んでおり、当初予定以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後の研究推進方策として、現在進行している分子メカニズム解析を完了し、代謝調節がエピジェネティックな状態の制御を通して生殖細胞の分化やインテグリティに影響を与える分子機構の解明を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Proteomic and metabolomic analyses uncover sex-specific regulatory pathways in mouse fetal germline differentiation†2020

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Yohei、Mori Masaru、Igarashi Kaori、Tanaka Keiko、Takehara Asuka、Ito-Matsuoka Yumi、Kanai Akio、Yaegashi Nobuo、Soga Tomoyoshi、Matsui Yasuhisa
    • 雑誌名

      Biology of Reproduction

      巻: 103 ページ: 717~735

    • DOI

      10.1093/biolre/ioaa115

    • 査読あり
  • [学会発表] Metabolic control for ensuring integrity in male germline differentiation2020

    • 著者名/発表者名
      林陽平
    • 学会等名
      第2回配偶子インテグリティ領域会議・若手会議合同集会
  • [学会発表] Metabolic control-based sex spectrum regulation in germ cells2020

    • 著者名/発表者名
      林陽平
    • 学会等名
      2020年度性スペクトラム領域会議
  • [学会発表] Metabolic control of male germline differentiation and integrity2020

    • 著者名/発表者名
      林陽平
    • 学会等名
      新学術領域研究合同公開シンポジウム 2020

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公開日: 2021-12-27  

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