公募研究
転写産物の絶対量測定の精度が増し、細胞分化において、ゲノムワイドに転写活性化状態が変化する発見や報告が相次いでいる。中でも古くから知られている未分化段階の細胞に認められるHypertranscription、高転写状態は、受精卵のZGA、造血幹細胞分化において特に解析されてきた。これら幹細胞状態の細胞では、ゲノム全体が遺伝子によらず須らく高転写状態になっており、分化の過程で、通常の転写状態に戻ることが明らかになっている。そこで、高転写状態の解明には、転写制御をクロマチン構造のレベルから理解することが不可欠である。すなわち、組織内で、同一の細胞内のクロマチン構造解析とトランスクリプトーム解析を“1細胞レベル”で同時に行う必要がある。そこで本研究では、生殖細胞及びその分化段階での転写絶対量測定とクロマチン構造解析を1細胞レベルで同時に行うことで、高転写状態の定量とクロマチン構造レベルの形成メカニズムの解明を目指した。具体的には、生殖細胞を含む固定化組織切片を用いて、mRNA量の絶対量と転写を制御するクロマチン構造状態(転写因子・クロマチン制御因子の結合、ヒストン修飾・バリアント置換、各活性化状態におけるRNA polymeraseIIのゲノム領域へのリクルート)を同時に測定する技術を開発した。本手法では、単一細胞レベルで転写量総量の測定とエピゲノムの解析を同時に行うことが可能である。現在、解析データを蓄積しておりプロトコールの公開並びに論文投稿の準備中である。
1: 当初の計画以上に進展している
当初予定の開発を早めて、データ取得を進めており当初の計画以上に進展している。
研究計画に従って進めていく。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
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