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2019 年度 実績報告書

神経個性を決める潜在的クロマチン変化の意義とその制御機構の解明

公募研究

研究領域遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル
研究課題/領域番号 19H05278
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

新海 陽一  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00758378)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードクロマチン / 線虫C. elegans / 神経成熟
研究実績の概要

私たちの脳をはじめとする神経系は、様々な個性を持つ神経細胞から構成されている。その個性を確立するための神経成熟過程において、大規模な遺伝子発現変化とそれを裏打ちするエピゲノム情報の書き換えが行われることがわかっている。私たちは、線虫C. elegansのHSN神経細胞では、神経成熟の最終過程においてabts-1と呼ばれるCl-トランスポーターの発現が起きる。この遺伝子発現は、L4幼虫期から成虫期において引き起こされるが、潜在的なクロマチン変化がL1幼虫期にはすでに起きていることを明らかにしてきました。2020年度は、この潜在的なクロマチン変化と遺伝子発現がどのようにして引き起こされるのかについて検討を進めた。
私たちは、HSN神経細胞においてabts-1 promoter領域を持つ染色体外アレイが、神経成熟に伴い核の周辺部から中心部へと移動することを明らかにしている。前年度の解析から、この移動はabts-1遺伝子発現において必要であること、この移動にはEOR-1やMAU-2などのクロマチンリモデリングに関わる分子の関与がないことを明らかにしてきた。そこで、本年度は、abts-1 promoterを含む染色体外アレイの核周辺部への局在に関わる分子の特定を進めた。ヘテロクロマチン領域は核膜へアンカリングされていることが報告されている。そこで、核内膜タンパク質と、染色体外アレイの共局在観察を行い、エメリンは染色体外アレイと排他的な局在を示した一方で、Lamin B受容体とは共局在した。さらに、移動のメカニズムを明らかにするため、染色体外アレイをゲノム導入した線虫株において、257クローンのRNAiライブラリを用いてRNAiスクリーニングを実施した。RNAiの作用しかしながら、このRNAiスクリーニングでは、abts-1遺伝子発現に影響を及ぼす遺伝子を同定することはできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

RNAiスクリーニングを実施するために、専用の線虫株の作製が必要であったが、遺伝子導入による致死的な作用が見られたため、必要な線虫株の確立に時間がかかった。

今後の研究の推進方策

Lamin B受容体とabts-1 promoterの共局在に関して、どのようなエピゲノム修飾が関与しているのかを、分子機構と併せて研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 相分離生物学の全貌(現代化学増刊46)2020

    • 著者名/発表者名
      白木 賢太郎
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      東京化学同人
    • ISBN
      9784807913466

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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