研究領域 | ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア |
研究課題/領域番号 |
19H05280
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
畠山 鎮次 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70294973)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ユビキチン / ユビキチンデコーダー / TRIMタンパク質 / オートファジー / 免疫 |
研究実績の概要 |
ユビキチン化はタンパク質分解を制御する翻訳後修飾であり、多くの生命現象を支える極めて重要な翻訳後修飾の一つである。TRIMファミリーはRING型E3ユビキチンリガーゼの一つのファミリー(ヒトでは約70種)であり、様々な機能(がん、免疫、オートファジーなど)に関与することが知られている。本研究目的は、E3ユビキチンリガーゼであるTRIMタンパク質の「タンパク質」としての物理化学的な性質(物性)を解析し、将来的には創薬研究への知見を集積することである。実際に、TRIMタンパク質の機能を解明するために、基質タンパク質とユビキチンデコーダータンパク質を同定することと、およびTRIMタンパク質の構造を決定することが重要となる。本年度は、シグナル伝達・選択的オートファジー・DNA修復・等に関与すると考えられているTRIMタンパク質を中心に、質量分析器(Hybrid IonTrap-Orbitrap LC-MS)を使用し、ユビキチン化基質タンパク質の同定を試み、複数のTRIMタンパク質に関して、基質タンパク質候補が同定された。また、ユビキチンレムナント抗体による精製を行わないTUBE-E3法を遂行することで、基質特異的なユビキチンデコーダーの同定を試み、いくつかのユビキチンデコーダータンパク質候補が同定された。現在、各TRIMタンパク質の基質および関連ユビキチンデコーダータンパク質の機能解析を進めている。また、各種ストレスによってもたらされる物性変化で、どのようにユビキチンリガーゼの酵素活性が影響を受けるかを検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画した実験が遂行され、かつ興味深いいくつかの結果を得ているから。
|
今後の研究の推進方策 |
概ね順調に計画が進んでいるので、予定通りに実験計画を進める予定である。
|