公募研究
ユビキチンのN末端を介した特殊な連結様式により形成される「直鎖状ユビキチン鎖(M1鎖コード)」は、NF-kBなどの炎症シグナルや細胞死を制御するユニークかつ希少なユビキチンコードとして、近年、大きな注目を集めている。本研究では、独自の阻害剤を含む各種研究ツールを駆使しM1鎖コードを標的としたケモテクノロジー解析を進め、生理機能と動作原理、さらに、その破綻に伴う各種病態形成の分子機序を明らかにする。これまでの研究において、LUBACに対する強力かつ特異的な阻害剤としてHOIPINsを同定した(SLAS Discov. 2018;BBRC. 2019;Commun Biol. 2020)。中でもHOIPIN-8は、LUBACの活性中心であるHOIPサブユニットにマイケル反応により結合しユビキチンリガーゼ活性を抑制し、細胞レベルにおいて炎症性サイトカインや病原体分子パターン(PAMPs)によりLUBACを経由するNF-kBやIFN-b活性化を抑制した。一方で、TNF-aによって誘導される外因性アポトーシスを増強し、さらに、ABC-DLBCL(活性化B細胞様びまん性大細胞型 B細胞リンパ腫)細胞の増殖を選択的に抑制し、イミキモド添加によるマウス乾癬モデルにおいて、表皮の肥厚を抑制し、病変組織における各種サイトカイン(IL- 17、22、23)の誘導を抑制するなどの病態抑制効果を示した(Commun Biol. 2020)。また、OTULIN阻害剤開発に関しても、各種in vitro解析やADME解析を含む共同研究から新たな知見が得られ、細胞膜透過性やOTULIN活性阻害能が大きく向上した候補化合物を取得することが出来た。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 8件)
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