研究実績の概要 |
1. RFFL の基質認識領域の同定:NMR 法の結果,RFFL N 末領域が構造異常タンパク質を認識することを見出した.今後,認識領域の構造解析を進める. 2. RFFL リガンドの有効性解析:ケミカルアレイスクリーニングにより同定した RFFL リガンドが in vitro において,RFFL-CFTR NBD1 直接相互作用を阻害することを明らかにした.培養細胞モデルにおいて,RFFL リガンドが CFTR 変異体の形質膜発現および安定性を増加させることを明らかにした. 3. CF-HBE モデルにおける RFFL 阻害剤の評価:CF-HBE モデルにおける CFTR 変異体のイオンチャネル活性を短絡電流測定法で評価した結果,RFFL 阻害剤は CF 治療剤の有効性を増強する傾向が観察された.従って,RFFL 阻害剤が CF 治療に有効である可能性が示唆された. 4. CFTR 関連 E3 リガーゼのリガンド同定:CFTR 関連 E3 リガーゼである RNF5, RNF185 のリガンド化合物をケミカルアレイスクリーニングにより同定した.SPR 解析および DSF thermal shift assay により,これらの化合物が RNF5, RNF185 に直接結合することを明らかにした.培養細胞モデルでの評価の結果,これらの化合物は CFTR 変異体の細胞内安定性を増加させた.従って,これらの化合物は RNF5, RNF185 を介した CFTR 変異体のユビキチン化を阻害すると考えられた.
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