研究領域 | ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合 |
研究課題/領域番号 |
19H05333
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮川 祥子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (00338203)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 3Dプリント / ゲルパッド / 褥瘡予防 |
研究実績の概要 |
本研究では、極限に柔らかいスマートマテリアル、身体にフィットするケア用品のための3Dモデリングおよびプリント技術、立体物の内部構造を表現できる高機能3D プリントデータフォーマット技術を融合して、褥瘡やスキン-テアといった皮膚創傷を軽減・予防するためのゲルパッドを開発する。皮膚創傷を予防・軽減するためには、身体の一部分に過剰な圧力が加わる状態を緩和することで血流低下を防ぐことと、体とベッド・車椅子などのずれからくる応力による細胞の破壊を防ぐことが重要である。ベッドに使われるエアマットレスや創傷を覆って回復を助けるドレッシング剤の中には、体圧分散や応力軽減の効果があると言われているものもあるが、体圧分散と応力軽減の双方に効果を持つ材料的・構造的特性は未だ明らかになっていない。 今年度の研究では、3D プリント技術と、ゲルマテリアル技術を組み合わせ、体圧分散とずれの応力の軽減の双方に効果を持つ可能性のあるゲルパッドの構造を検討し、試作を行った。また、体圧分散とずれ応力の軽減の測定方法についての検討を行った。 一般的に、熱溶解積層方式(FDM)3Dプリンタは、自由な形状を低コストで造形できる一方で、紐状のフィラメントを押し込んで溶融させる方式であることから、ゲルのようなやわらかい材料を用いることが難しかった。本研究では、柔らかい材料を取り扱うことのできるペレット型のFDMプリンタと、やわらかさと造形のしやすさを併せ持つゲルペレットを用いることで複雑なパターンの内部構造を持つ3Dプリントゲルパッドを実現した。 また、ベッドを背上げしたときに体にかかるずれの応力を計測するためのセンサーおよび計測方法ついての検討を行った
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機材の故障及びCOVID-19感染症流行の影響で研究計画が遅延したが、修正した計画はおおむね順調に行われた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作成したゲルパッドの体圧分散機能およびずれ応力軽減機能を評価するための実験計画を策定し、評価を実施する。また、ゲルパッドを組み込んだ体圧分散機能を持つ制御機構についての検討を行う。
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