研究領域 | ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明 |
研究課題/領域番号 |
19H05348
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
花田 耕介 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50462718)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ダイコン |
研究実績の概要 |
日本には、地域特有の100品種以上のダイコン栽培品種が存在する。これらの日本のダイコン栽培品種は地域ごとに独自の形態・形質をもち、非常に多様である。そのため、国内のダイコンの栽培品種の栽培化過程を理解することは、日本国内でのヤポネシアの移動・歴史・発展を理解することに繋がると考えた。そこで、本研究では、日本のダイコンの栽培品種が、いつ、どのように過程で栽培品種が生じたのか、を明らかにすること目指す。 日本には、全国各地に独自に確立された栽培品種が100品種以上存在する。このため、これまでの7品種では栽培化過程を解明するには不十分だった。そこで、原産地域、形態などの情報を考慮し、日本の栽培品種を幅広くカバーするように、新たに16個の日本の栽培品種と1個の中国の栽培品種の次世代シークエンス解析を実施した。さらに、10地点から日本の野生ダイコンの採取を行っているが、日本全域を網羅していない。そこで、一斉に白い花が咲き、容易に野生ダイコンの群集を確認できる、5 - 6月にサンプリングを実施した。サンプリングは、共同研究者である北海道道総研・石塚研究員、東北大学・彦坂教授、東北大学・河田教授、島根大学・小林教授と行い、北海道(襟裳岬)、宮城(浦戸)、島根(松江)、千葉(勝浦)の4地点から各5個体の野生ダイコンを採取した。 抽出したDNAをマクロジェン社に送付し受託解析を依頼した。申請者が構築済みのダイコンのReferenceゲノムにBWAソフトウェアでマッピングを行い、GATKソフトウェアを用いて信頼性のあるSNPを検出した。日本の栽培品種を16個加えた解析においては、本州・九州の野生ダイコン、沖縄の野生ダイコン、ヨーロッパ型栽培品種、アジア型栽培品種、日本栽培品種の5つのグループに分かれ、日本栽培品種のグループが独自グループになることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
日本の野生ダイコンの採取は、2020年度に実施予定だったが、2019年度に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
本コンソーシアウムに参加した理由の一つとして、コンソーシアウムのメンバーが、古代のダイコン種子を保有していることを期待していた。そして、ダイコン種子を利用し古代ダイコンのシークエンスに挑戦し、日本ダイコンの栽培化の年代推定に利用したいと考えていた。しかし、残念ながら、ダイコン種子の獲得はできないようであった。 そこで、国内有数の植物標本を所蔵する東京大学植物学標本室と首都大学東京牧野標本館を訪ね、古代の野生ダイコンの標本が存在するかを調べた。その結果、乾燥標本として1896年から1898年に採取された11標本が牧野標本館に、また、1887年から1893年に採取された3標本が東京大学植物学標本室に存在することを確認した。これらの次世代シークエンス解析も実施したい。
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