公募研究
【研究目的】日本列島でホモ・サピエンスの活動が約3万8千年前から認められる。日本列島のヒト集団の形成をゲノム情報から議論することを目的とし、東アジアの後期旧石器時代の古人骨ゲノム解析を分析する。【研究計画実施状況】本研究では、台湾・澎湖水道の海底から引き上げられた未発表の古人骨化石に着目した。この標本は、同地点から採取された原人化石(Chang et al. Nature Communications 2015)とは別のもので、本研究班の未公表の予備分析から、形態的にホモ・サピエンスと考えて矛盾ない。2019年度、まず5月にこの標本を採取し、研究協力者である海部陽介(国立科学博物館)とともに分析をおこなった張鈞翔(台中自然史博物館 主任)を東京大学に招き、セミナーおよび研究打ち合わせをおこなった。そこで話し合われた計画にしたがい、8月に台中自然史博物館を再訪問し、追加試料の要請を行った。11月には、澎湖水道出土古人骨のプロテオミクス解析に関する共同研究についてコペンハーゲン大学のEnrico Cappellini(准教授)とFrido Welker(博士研究員)とメール会議をおこなった。1月に東京大学・生物科学専攻に完成した古代ゲノム解析専用クリーンルームにて、2015年に採取した澎湖水道出土古人骨の骨片からDNA抽出をおこなった。3月にこの抽出DNAをもちいてNGSライブラリーを作成し、イルミナ社汎用性NGS機であるMiSeqでプレ・スクリーニングをおこなった。
3: やや遅れている
プレ・スクリーニングの結果、マップ率はdeep sequencingへ進めるには十分ではなかった。死後劣化(Post-mortem degradation)におけるヒト以外の生物のDNAがかなり混入したと考えられる。
今後、追加試料の分析を進めると並行し、古代プロテオミクス解析を進める。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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