公募研究
本研究の目的は、タケの形態に秘められた力学機能を深く理解し、これを模倣した力学的最適構造システムを創製することである。この目的達成のために、タケが進化の過程で獲得したであろう「最少材料・最大強度」の設計原理を、物理学・数理科学の視点から解明する。竹はしばしば、「見落とされたバイオマス」と呼ばれる。その所以は、世界中で1500通り以上の利用法が発見されているにも関わらず、竹の利活用に関する学術研究が絶対的に不足しているためである。こうした背景を踏まえると、竹に関する昔からの言い伝えや経験則を、自然科学の視点から客観的に実証することが非常に重要であることがわかる。この背景を受けて本年度では、タケの外形を支配する共通則の導出に取り組んだ。日本に自生するタケの種類は、高さ15 m に及ぶモウソウチクから、3 m 程度までしか伸びないクロチクまで多様性に富んでおり、その高さと外形は種によってバラバラである。しかし実は、タケの外形には、見た目では認識できない一定の共通則が潜むことを、本研究によって初めて発見できた。この共通則の存在は、タケが力学的最適化を具現した植物であることを意味するものである。具体的には、高さ・太さ・稈に沿った細り具合、がそれぞれ異なる複数種のタケを選び、日本各地で伐採した竹サンプルの形態測定データを集計した、その結果、各節間における木質部の正味体積および各節間部の細長比(断面二次半径を節間長で除した量)のデータ点が、複数種にわたって一定の共通曲線に載ることがわかった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
Symmetry
巻: 12 ページ: 996~996
10.3390/sym12060996
Proceedings of the Royal Society A: Mathematical, Physical and Engineering Sciences
巻: 476 ページ: 20200323
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Extreme Mechanics Letters
巻: 40 ページ: 100970~100970
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Applied Sciences
巻: 10 ページ: 7163~7163
10.3390/app10207163
Quantitative Plant Biology
巻: 1 ページ: e4
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