2019年度は、植物撮像用のMRIの撮像パラメータとその画像処理手法、および、小ボア径MR信号受信用コイル等の要素技術を開発した。2020年度は、まず小ボア径MR信号受信コイルを用いて、比較サイズの小さい植物に対し、拡散テンソルイメージングを用いた特性値取得法を確立した。通常、脳の撮像等で使用される32チャンネルヘッドコイル等を使用した場合、信号量が少ないサイズの小さな植物の拡散テンソルイメージングのデータを取得することは不可能であったが、小ボア径MR信号受信コイルを用いてパラメータを調整することでデータ取得が可能となった。また取得したデータについても位置情報の歪みが発生し、正確な計測値がでない状態であったので、それを補正する画像処理手法を新たに開発した。これにより拡散関連の特性値情報を得ることが可能となった。次に、撮像したデータと解析ソフトウェアを用いて計測したT2値や拡散関連の特性値等を、材料特性試験機で計測した植物の物性値と合わせて分析を行い、MRIからの特性値と材料的な物性値との関係を明らかとした。その中でサイズの小さな信号量の少ない植物は、MRIの磁場の状態に大きく影響を受け、特性値の定量性が悪いことが判明したため、データ補正処理を開発した。これにより精度が向上した。他に、時系列変化を調べるための手法を開発し、植物の重力屈性時の変化についても小ボア径MR信号受信用コイルを用いてMRI実験を行い、分析を行った。
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